6.分析条件別対処法
前項では移動層の脱気方法別に特徴や用途を紹介しましたが,次は分析条件別に考えてみましょう。 一般的に,通常感度の分析に対しては,5-1)加温かくはん(1)と5-6移動相上置きで充分である場合が多いのですが,検出条件が異なったり高感度ベースラインの安定性が要求されると,オンライン脱気が必要であったり,脱気以外に留意すべきことも多くなります。
6-1)逆相カラム-UV短波長高感度ベースラインを得るために
ODSなど逆相カラムとUV検出器の組み合わせは,HPLC分析の中で最もポピュラーなものですが,短波長で高感度検出を行うとなると,次の点に留意しなければなりません。
(1)HPLC流路・カラムの充分な洗浄を行う | |
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(2)移動相のバックグランドが低い試薬を用いる | |
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(3)高感度検出器を用いる | |
当然のことですが,市販のLC用検出器の中でできるだけノイズレベルの低いものを用います。 | |
(4)オンライン脱気を行う | |
LC用アセトニトリルを用いても,密閉加圧型のHeパージなどオンライン脱気を行うことによるバックグランド低下がわずかに認められます。 以上,重要度の順に,4点のみ取り上げてみました。 実際は多くの場合,(1)と(2)が適切な条件を満たしていないのではと思われます。 分析条件も,洗い直してみて下さい。 |
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(それぞれ空気飽和・リファレンスはLC用蒸留水) |
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6-2)糖分析カラム-屈折計で高感度ベースラインを得るために
UV検出が広く用いられる中で,糖分析やGPC(SEC=サイズ排除クロマトグラフィー)は基本的に屈折計による検出が行われています。 一般に屈折計は,ベースライン安定性が悪いもの,と決めつけられがちですが,実は真犯人は移動相中の容存空気やカラム温度変化であることが多いのです。
i)配位子交換カラム(Shim-Pack SCR-101Pなど) | ||
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ii)順相カラム(Shim-pack CLC-NH2など) | ||
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* 本ページはLCtalk特集号5(1991年)をhtml化して一部修正を加えたものです。
従って,最新の装置情報・技術情報とは一致していない所があります。