水道水(水質基準)測定向けシステム
水道水(水質基準)測定向けシステム
水道法の規定により,水道水に含まれる有機物質はTOC値により管理する必要があります。
この中では,TOC測定に下記が求められています。
- 水道水のTOCを精度よく測定できる高い測定感度
- 懸濁物質の検出も行える酸化能力
私たちはさらに,測定作業の省力化とデータ信頼性のため,下記を重要視しています。
- TOCを初めて扱う人にもわかりやすいシンプルな測定操作
- 測定作業の手間を省力化する自動測定システム
- 電子データの安全性を確保するセキュリティ機能
そこで,次のような水道水測定向けシステム(燃焼触媒酸化式の高感度TOC PC制御モデル TOC-LCPH + オートサンプラASI-L )を推奨しております。
推奨システム例
TOC-LCPHは,シンプルな測定操作ながら,清浄な原水の検査から懸濁物質を含む高汚濁水にまで,あらゆる水質の測定に対応が可能です。
オートサンプラASI-Lとの連携により,最大93試料の全自動測定システムが実現できます。 また,スターラを追加することで,試料に含まれる懸濁物質の沈降を防止することができるので,より正確なTOCの測定が可能です。 なお,分析の試料数が多くない場合には,低コストで自動化できる8ポートサンプラ OCT-Lも使用できます。
PC制御モデルでは,TOC-L用PC制御ソフトウェアTOC-Control Lにより全操作・制御,更に測定データの収集・管理・活用が可能です。 PC上の測定データは,強力なセキュリティ機能・データ管理機能を持ったネットワーク対応分析データ管理ツールCLASS-Agentにより統一管理することも可能です。
高い測定精度と幅広い測定感度の両立
水道の水質基準では,水中のTOC濃度が基準値3mg/L(平成21年4月改正)と定められており,測定機器には基準値の1/10の濃度が測定できることが要求されています。
つまり,水道の水質基準測定に使用するTOC計には,0.3mg/L以下の濃度を定量できる感度(定量下限値0.3mg/L以下)が求められますが,島津のTOC計はその基準を十分に満たしています。 また,清浄な水道水ですと,TOC濃度が0.5mg/L以下となる場合もあり,0.1mg/L程度まで定量できると安心です。 島津の高感度型TOC計TOC-LCSH/CPH は,検出限界が4μg/Lと高感度であり,余裕をもって安定した測定が行えます。
また,内蔵の自動希釈機能により30,000mg/Lの高濃度試料の測定にも対応可能で,4μg/L~30,000mg/Lの超ワイドレンジかつ高感度の測定が可能です。
懸濁物質も測定可能
水道水の水質管理では,水道の原水(ダム,河川水など)の検査も推奨されており,懸濁物質を含む試料の測定への備えが必要です。 燃焼触媒酸化方式のTOC-Lシリーズなら,懸濁物質に含まれる有機物も確実に検出することができます。また,オートサンプラASI-Lに,スターラを追加することで,懸濁物質を含んだ試料の自動測定も可能となります。*) なお,通常内部経路0.5mmの所を0.8mmに拡張できる懸濁試料キットもご用意しています。
*) | 前処理操作としてホモジナイザ,ミキサー,超音波発生器などで懸濁物質を破砕し,均一に分散させる必要があります。 |
省メンテナンス
燃焼触媒酸化方式の採用により,湿式酸化方式で必要となる酸化試薬などが不要なので,試薬管理や調製作業などの手間がかかりません。 また,特別な廃液処理も必要としません。 |
強力なセキュリティとデータ管理機能
PC制御モデルでは,TOC-L用PC制御ソフトウェアTOC-Control Lを使うことで,全操作,制御,データ管理が可能。 また,CLASS-Agentとの連携により,アクセス管理機能,操作履歴記録機能,データの完全性を確保するデータ管理構造など様々なセキュリティ対策によりデータの信頼性を確保します。
多彩なオプションによる機能拡張
TOC-Lシリーズの持つ多彩なオプションで様々な機能拡張を行えます。 たとえば,POCキットを付加することにより,POC(揮発性有機体炭素)を測定可能で,全てのTOCを正確に測定することが可能です。 また,TN(全窒素)ユニットTNM-Lを付加することで,TOCとTNの同時測定が可能です。