WingSALD II - 特長
SALDシリーズ用測定・データ処理ソフトウェア
屈折率選択のミスやわずらわしさを解消

■屈折率自動計算機能を搭載
レーザ回折・散乱法では避けて通れない屈折率の選択については、文献値を入力する方法などが一般的でしたが、粒子組成や形状の影響から必ずしも妥当とは言えませんでした。そのため、トライ&エラーによる屈折率の選択という煩雑な作業も行われてきました。このような問題を解決するためにWingSALD IIでは、LDR法(Light Intensity Distribution Reproduction Method、光強度分布再現法)に基づいて妥当と思われる屈折率を自動計算する機能を世界で初めて搭載しました。
※LDR法は、実測された光強度分布と粒度分布データから再現(再計算)された光強度分布との一致性から妥当な屈折率を自動計算する手法です。これは弊社が開発した手法で、2件の論文として発表され、「木下の手法」と呼ばれることもあります。
主要物質については、リストから屈折率を選択することができます。

SOPで確実な測定をアシスト
■SOP作成によりいつも確実に同一条件・同一手順で測定できます。
-アシスト測定機能—
前処理方法・条件を含めて測定条件・測定手順を作成・保存し共有することで、オペレータの交替や、異なる場所・工場での測定時も同一条件・同一手順で測定することができ、安心してデータ比較を行って頂けます。さらに測定時に「アシスト機能」を使用することで測定者への作業指示が画面に表示されますので、オペレータの経験に依ることなく正しい測定を行って頂けます。また、操作権限が管理者とオペレータに分かれており、セキュリティについても配慮しています。
※SOPは、"Standard Operation Procedure"を略した用語です。

測定データの多面的評価をサポート
■豊富な解析アプリケーションを標準搭載
以下の解析アプリケーションを標準で搭載しました。
- 散乱角度評価
散乱光の角度ごとの強度成分をグラフに表示します。高度に集積されたフォトダイオードアレイの特長を生かして、特に低散乱角度において高い分解能で評価が可能です。
応用分野: フィルムやシートの散乱特性評価 - データ変換(エミュレーション)機能
SALDシリーズの測定結果をもとに、他機種、他原理の測定結果のエミュレーション(模倣)を行うことができます。
これにより従来の測定方法とのデータ互換性を保つことが可能となります。 - 混合シミュレーション機能
複数の粒子径分布データを任意の混合比で混合した場合の粒子径分布をシミュレーションすることができます。
「実際にサンプルを混合して粒子径分布を測定する」という面倒な作業を繰り返さなくても、所望の粒子径分布を得るための最適な混合比を検討することが可能になります。 - データ接続機能
測定範囲の異なる2つの測定結果を任意の粒子径ポイントで接続しひとつの粒子径分布データを作成することができます。
例えば、2000μm以上のフルイのデータと2000μm以下のSALDシリーズのデータを接続して土木・防災や環境分野 で必要とされる広範囲の粒子径分布データを作成することができます。
■複数データの処理を効率化
複数のデータをグループ化して保存することによってデータの整理だけでなく、再表示や再解析を容易にしました。いちいち個別のデータを呼び出さなくても、グループを呼び出すだけで一度に表示・解析することができます。

■粒子径分布データと光強度分布データの同時リアルタイム表示
光強度分布データと粒子径分布データの変化を同時かつリアルタイムで表示できます。
サンプルの時間的変化や分散状態の推移をリアルタイムでモニターすることができます。
生データである光強度分布データと粒子径分布データの両方を同時にモニタリングすることが可能であるため、お互いの対比をしながらサンプルの状態変化を把握する ことが可能です。

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※外観および仕様は改良のため、予告なく変更することがあります。
※SALD-2200は旧機種です。現行機種はSALD-2300になります。