3Flex - 特長

多検体高性能比表面積/細孔分布測定装置

ハイスループットな測定を実現

3Flex は,ガス吸着法の
以下の規格に準拠しています。
JIS Z8830(ISO 9277)
JIS Z8831-2(ISO 15901-2)
JIS Z8831-3(ISO 15901-3)

比表面積・細孔分布を3ポート同時に測定可能
   各ポートに1000mmHg,10mmHg,0.1mmHgのトランスデューサを搭載することで3ポート同時に吸着測定ができ,長い測定時間を必要とする細孔分布も効率的な測定が可能となります。
   マイクロポア測定可能なポート数は,2ポートと3ポートの2種類のモデルから選択できます。

極低圧での高信頼性測定を実現
VCR継手と空気圧駆動バルブにより高真空を維持
   マイクロポアの測定においては,低相対圧の吸着量を正確に求める必要があり,リーク量を小さくする事が重要です。
3Flexでは配管をVCR継手と空気圧駆動バルブを採用し,リークを最小限に抑える事が可能となりました。

きめ細かいガス吸着測定を実現
サーボ制御による高精度の吸着測定
   ガスの導入排出量をニードルバルブではなくサーボ制御することにより,ガスの排出ではサンプルの吸引をなくし,導入では任意のガス量をサンプルに吸着させることができます。

ガス吸着法は大きさや性質が既知であるガス分子を,固体表面に吸着させ,吸着したガス分子の量を測定し,比表面積や細孔分布を求める方法です。特に液体窒素温度における窒素ガス吸着がよく利用されます。
液体窒素温度において窒素ガスは個体の種類によらずその表面に吸着します。その量は周囲の圧力(吸着平衡圧)に依存し,単調性を持っています。

すなわち,真空域から圧力が増加する過程で,単分子層吸着,多層吸着へと移行し,さらには細孔内への毛管凝縮へと状態が変わっていきます。この状態変化を示すのが吸脱着等温線(isotherm)であり,ガス吸着法ではこの吸脱着等温線を測定することが基本になります。
下に基本的な吸脱着等温線パターンを示します。なお,吸脱着等温線の横軸は相対圧(relative pressure)で吸着平衡圧と飽和蒸気圧の比です。縦軸は吸着量です。
吸脱着等温線を測定し,単分子層吸着に着目することで比表面積を,吸着層の厚みと毛管凝縮を組み合わせることによりメソポア分布を,低相対圧域の微細孔への充填過程に注目することによりマイクロポア分布を,それぞれ得ることができます。

相対圧10-8という極低圧域から再現性の高いデータを取得!

ゼオライトのようにマイクロポアを有するサンプルの細孔分布を求めるためには極低相対圧からの吸着等温線の測定が必要不可欠です。3Flexではリークの少ない配管構造および任意に設定可能なガスの導入量により非常に正確な等温線を相対圧1×10-8オーダーから測定することができます。

サンプル : ゼオライト  ガス : 窒素ガス  冷媒 : 液体窒素(77K)

サンプル : ゼオライト  ガス : 窒素ガス  冷媒 : 液体窒素(77K)

繊維から製剤の粉末まであらゆる低比表面積のサンプルも クリプトンガスを使用して0.0005m2/gまでの3サンプルを同時測定可能!

これまでも低比表面積の測定はクリプトンガスで行なわれてきましたが10mmHgのトランスデューサを必要とするためコスト,スペースの問題から多検体同時測定の機種は多くありませんでした。3Flexを用いれば最大3ポート同時にクリプトンガスでの比表面積測定が可能で大幅に時間短縮ができます。また内径約9mmのセルを採用しているため不織布などの繊維状のサンプルのサンプリングも容易に行なえます。

サンプル名 比表
面積
(m2/g)
相関係数 試料重量
(g)
全表面積
(m2
サンプルA:Kr 0.236 0.999 0.5351 0.126
サンプルB:Kr 0.279 0.997 0.5906 0.165
サンプルB(再現性):Kr 0.279 0.998 0.5203 0.145
サンプル 不織布
ガス 窒素ガス、クリプトンガス
冷媒 液体窒素(77K)

不織布のように低比表面積でかさがあるようなサンプルの測定は窒素ガスでは限界があります。このようなサンプルでは飽和蒸気圧が窒素ガスの約300分の1のクリプトンガスを使用することで精度良く測定することができます。

圧力設定画面

圧力設定画面

■測定・解析が1つのソフトで可能
各サンプルの測定・解析を1つのソフトで行なうため,画面の切換の手間がありません。また各サンプルの測定条件・結果が1つのファイルでまとめられているため,データの管理が容易です。

■正確な吸着等温線を任意に設定
圧力設定画面で任意の相対圧(もしくは絶対圧)で圧力間隔,ガス導入量,平衡待ち時間の設定が可能

■解析ソフト「MicroActive」により,スムーズにデータを解析

MicroActive 画面例

MicroActive 画面例

グラフの画面上でマウスで範囲を指定することで容易にグラフの拡大ができます。またBET法,t-プロット法,BJH法,H-K法,DFT法などの解析範囲やパラメータの設定がグラフ上で容易に行えます。

テキストファイルがあれば過去のデータも読み込み可能
他の装置のデータも吸着等温線データがテキストファイルであれば,読み込みが可能です。

水銀ポロシメータのデータも読み込み可能
読み込んだデータを細孔分布グラフ上に重ね描きでき,容易に比較できます。

蒸気吸着からガス吸着への切換もスムーズに!

これまでの装置では蒸気吸着測定後,配管内に残留する蒸気の排気に時間がかかっていましたが,測定ポートで再脱ガス処理が行え,また,リークを最小限に抑えることで配管内を高真空に保ち,蒸気吸着測定の翌日にはガス吸着を行うことが可能になりました。

サンプル 活性炭
ガス ヘキサン、ペンタン(蒸気)
冷媒 水(298K)

触媒等の吸着特性の評価には水蒸気や有機溶媒などの蒸気吸着が行なわれます。
3Flexでは配管に316ステンレス鋼を使用し,有機溶媒等の蒸気吸着に対しても高い耐腐食性を有し,高精度の測定を長期にわたりご使用いただくことができます。

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