Tm解析システム - 特長
信頼性のあるTm解析システム
システム構成
Tm解析システムは以下から構成されます。
- 紫外可視分光光度計
- 8連電子冷熱式セルホルダTMSPC-8i
- ソフトウェア LabSolutions UV-Vis Tm

データインテグリティ対応
Tm 解析システムは、融解曲線の測定から中線法または微分法でのTm 解析を自動で行うことが可能です。LabSolutions UV-Vis Tm は、LC、GCをはじめ数多くの分析機器で実績のあるLabSolutions DB/CS システムと連携させることで、業界最高水準のデータインテグリティをサポートします。

※LabSolutions DB UV -Vis:1台のPC に、データベース管理システム、分析、解析用ソフトウェアをセットアップする、スタンドアロンのデータベースシステムです。
LabSolutions CS システム:サーバー、クライアント、アクイジションコントローラーがネットワーク上で接続しています。全装置のデータがサーバー上に構築されたデータベースで一元管理されます。ユーザーと権限の管理もシステム全体で一元管理されます。
多様なニーズをサポートする機能
8連マイクロマルチセル

核酸(M13プライマー)の融解曲線
(光路長1 mm マイクロマルチセル使用)
8つのサンプルを、一度に同一条件で測定することが可能なマイクロマルチセルです。
高感度に測定したいニーズに対応した従来の光路長10 mm(最小サンプル量 100 µL)マイクロマルチセルにくわえて、高額サンプルを微量測定したいニーズに対応した光路長1 mm(最小サンプル量10 µL)のセルを新たにラインアップ。特に光路長1 mm のセルでは温度によるサンプル蒸発が問題となりますが、セル上面を封止することで試料の蒸発を抑制するシール方式※2 により、融解温度の高いサンプルでも安定した測定が可能になりました。
※2シール方式は甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科川上純司教授より支援を頂きました。AMED 次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業「核酸医薬品の製造・精製・分析基盤技術の開発」プロジェクト(代表:小比賀聡)による支援の成果です。
リアルタイム転送機能 / 熱力学的パラメータ解析

LabSolutions UV-Vis Tm は測定中の温度、吸光度、時間をリアルタイムにExcel® 転送することが可能です。
また、濃度の異なるサンプルから得られたTm値を市販の表計算ソフトに転送することで、薬物活性の指標であるGibbsの自由エネルギーの変化量、エントロピーやエンタルピーなどの熱力学的特性の解析が容易になります。
自動化された効率的なワークフロー

Tm 解析では、『核酸のUV-Visスペクトル確認→アニーリング→融解曲線測定→解析作業』といった手順が必要となります。
従来はスペクトル測定やアニーリングの記録や融解曲線のデータも離散していました。
LabSolutions UV -Vis Tmソフトウェアは、Tm解析を初めて実施する方にもわかりやすいメニューで測定から解析(Tm値算出)をサポートします。 特に時間を要するアニーリングや各種補正(バックグランド波長、温度ブランク補正)、Tm値算出(中線法、微分法)を自動化することで、シームレスなワークフローと効率的なTm解析を実現します。
また測定データと解析値をセットで保存し、各種設定・操作履歴をオーディットトレイルログにより管理します。
サンプルのスペクトルを測定

サンプルをセットし、スペクトルを測定します。
■タブの切り替えで簡単にスペクトルデータと融解曲線を確認可能


簡単設定でアニーリングを自動化

サンプルに対して温度を昇降温させることで、核酸を一度一本鎖にした後、再度二重鎖に結合させます。結合のミスマッチを少なくすることで、安定した分析が可能となります。
■温度プログラム設定によりアニーリングの自動化を実現
■自動化フローにより、測定とアニーリング移行過程でのサンプル取り違えリスク低減
■アニーリング実行有無や設定温度を自動で記録


簡単設定&自動でTm測定・解析

温度上昇に伴い、核酸が二重鎖から一本鎖に融解する過程での吸光度変化を測定します。
Tm値(二本鎖、一本鎖のモル分率が等しくなる融解温度)は、前遷移領域、後遷移領域で選択された区間の接線の中線と融解曲線との交点から求める中線法、または一次微分の最大値から求める微分法により計算します。
■Tm解析は中線法と微分法の両方に対応

■測定から解析まですべてのアプリケーションログを自動記録し、再現性を確保

■Tm値の自動算出により属人性を排した解析が可能



Tm解析結果の一例