バイアルコンポーネント

 

バイアルコンポーネント

主にバイアル、キャップ、セプタムで構成され、場合によっては内部にバイアルインサートを設置して使⽤します。

最良の分析結果を得るためには、最適なバイアル、キャップ、セプタムを選択する必要があります。本ガイドを参考に最適な品⽬を選択してください。

バイアル

バイアルガラス

バイアルは非常に化学的活性が低いガラスで製造されています。⽶国薬局⽅(USP)及び欧州薬局⽅(EP)の基準で最も⾼いグレードのType Ⅰ(33 または 51 Expansion)のホウケイ酸ガラスが採⽤されています。

不活性処理ガラス

ガラスに吸着しやすい化合物に適しています。ガラス表⾯をシラン処理して表⾯極性を低下させ、ガラス表⾯を疎⽔性にしています。試料の保存にも適しています。

バイアルの形状

バイアルネック

バイアルネック

バイアルには、キャップの接続⽅法に応じてスクリュー、クリンプ、スナップの3 種類があります。
GCやGC-MSでは揮発性の⾼い溶媒を扱うケースが多いため、気密性の⾼いスクリューネックかクリンプネックのバイアルを主に使⽤します。ヘッドスペース分析の場合はより気密性に優れたクリンプネックの使用をお勧めします。
バイアルネックの形状に応じて適合するバイアルキャップが異なりますので、バイアルの種類に合わせて適切なキャップを選択してください。

種類 シール性 備考
スクリュー ⾼い キャップがねじ式で着脱が容易です。汎⽤性が高いです。
クリンプ 非常に高い 専⽤の圧着⼯具(クリンパ・デキャッパ)が必要です。
スナップ 中程度 ⼯具は不要ですが、気密性がやや劣ります。
バイアルボトム

平底/丸底

バイアルボトム

通常は平底のバイアルを使う場合が多いですが、HS ⽤のバイアルはヘッドスペースサンプラに適合するようにやや丸底になっています。
HS-20 シリーズや HS-10 では、平底バイアルは動作不良を起こす可能性がありますので、丸底バイアルをお使いください。

インサート

インサート

微量サンプル向けバイアル

サンプル量が1mL未満の場合は、バイアルインサートを使うか、バイアル内部にインサートが溶着された⼀体型バイアルを使うことで、オートサンプラで充分吸引できる液⾯⾼さを確保することができます。

セプタム

正しい分析結果を得るためにはセプタムの選択も非常に重要になります。オートサンプラのニードルによる貫通、溶媒との相互作用、ヘッドスペース分析での加熱などの影響を受けるため、シール性、サンプルに対する不活性度、耐熱性などが要求されます。

ヘッドスペース分析では耐熱温度もセプタムを選ぶ重要な指標になります。以下にセプタムの耐熱温度を記載します。

材質 耐熱温度 外観 説明 ヘッドスペース用
PTFE   PTFE 化学的に安定しており経済的です。⼀度穴が開いたものは密閉されないため、複数回の注入やサンプルの長期保存には適しません。  
Silicone/PTFE 200℃ Silicone/PTFE 最も汎⽤的に使われているセプタムで化学的にも安定しています。オートサンプラのニードルの使⽤に適した硬さでシール性も⾼く複数回の注入にも適しています。
揮発性有機化合物の分析に適したセプタムです。
ブリードが少なく、⾼い耐溶媒性を有しています。多くのGC、GC-MS分析に使⽤できます。
PTFE/Silicone/PTFE   PTFE/Silicone/PTFE 両⾯にPTFEがラミネートされており耐薬品性に最も優れています。複数回の注入にも適しておりニードル貫通時のセプタムの破損が最も起こりにくいです。セプタムの中では相対的に⾼価です。微量分析など精度が要求される分析に適しています。  
Silicone/PI 300℃ Silicone/PI 耐熱性に非常に優れたセプタムで、温度を上げても発⽣するブリードを最⼩限に留めます。Xtra Low Bleed HS セプタムで採⽤されています。
CQ(Certificated Quality) バイアルセプタム

CQ (Certificated Quality) バイアルセプタム

高品質シリコンポリマーとクリーニング技術によりシロキサン由来のブリードが大きく低減されたセプタムです。 GC-MS および LC-MSを用いてバイアルからの溶出成分がないことを抜き取り検査で確認しています。CQバイアルキットにはMS検査成績書が付属しています。

Xtra Low Bleed HS セプタム

Xtra Low Bleed HS セプタム

300℃保温でもブリード成分の溶出が少ないため、従来ヘッドスペースサンプラで困難だった⾼温分析アプリケーションを可能にしました。

キャップ

スクリューキャップとクリンプキャップ

スクリューキャップとクリンプキャップ

バイアルに合わせて適切なキャップを選択してください。GC やGC-MS では揮発性の⾼い溶媒を扱うケースが多いため、⼀般的にスクリューキャップかクリンプキャップのバイアルを使⽤します。
クリンプバイアルは着脱に専⽤⼯具が必要で開閉に⼿間がかかりますが、その分、異物混⼊などのリスクも⼩さくセキュリティが重視される⾷品や法医学分野のアプリケーションに適しています。



セプタムフリーキャップ

セプタムフリーキャップ

セプタムの切り屑はしばしば⾼精度な分析の阻害要因となり、特に注⼊操作を複数回⾏う場合に影響が⼤きくなります。

  • セプタムレスキャップ
    セプタムを使⽤しないキャップで、1.5mL スクリューバイアルのバイアルキャップとして使⽤できます。気密性ではセプタムを使用した場合より劣り、一度穴が開くと密閉されません。
  • Xtra Clean Conical キャップ
    AOC-30/20 シリーズで洗浄溶媒を⼊れる4mL バイアルで、セプタムの代わりに取り付けて使⽤します。
    プレホールが開いており、セプタム由来の切り屑が発⽣しません。
    洗浄溶媒は繰返し注⼊操作を⾏うためにセプタムの切り屑の影響が出やすいので、こちらの使⽤をお勧めします。
キャップ

マグネティックキャップ

多機能オートサンプラで使⽤されるタイプで、キャップはスチール製です。マグネットを使ったバイアル搬送に対応しています。

{"title":"\u30c0\u30a6\u30f3\u30ed\u30fc\u30c9","description":"\u6700\u65b0\u306e\u30ab\u30bf\u30ed\u30b0\u306a\u3069\u3092\u30c0\u30a6\u30f3\u30ed\u30fc\u30c9\u3067\u304d\u307e\u3059\u3002","source":"product","key":4989,"max":30,"filter_types":["brochures"],"link_title":"View other Downloads","link_url":"","pdf_links":[]}