粉博士のやさしい粉講座
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実践コース:測り方疑問解決編
密度測定装置
2 密度の定義
粉博士イラスト ひとくちに密度といっても、「真密度」「粒子密度」「かさ密度」など、定義の異なる複数の密度が存在します。
 
真密度とは、物質自身が占める体積だけを密度算定用の体積とする密度のことです。(図1参照) 図1 真密度
  図1 真密度
   
粒子密度とは、表面に凹凸がある粒子の外周を体積とした場合の密度のことであり(図2参照)、以下の3種類の体積が含まれています。
(1) 粒子の物質自身の体積
(2) 粒子内の閉細孔の体積
(3) 粒子表面の凹凸部の空間の体積
図2 粒子密度
  図2 粒子密度
   
かさ密度とは、一定容積の容器に粉体を目一杯充てんし、その内容積を体積としたときの密度のことです。(図3参照)したがってこの体積には、以下の5種類の体積が含まれています。
(1) 粒子の物質自身の体積
(2) 粒子内の閉細孔の体積
(3) 粒子表面の凹凸部の空間の体積
(4) 粒子と粒子の間隙の体積
(5) 粒子と容器の間隙の体積
図3 かさ密度
  図3 かさ密度
   
このため、当然のことながら粒子の充てんの仕方や、容器の大きさ・形状によって密度の値は変化するはずです。
 
このような定義の異なる密度の中で、アキュピック1330シリーズが測定できるのは、「真密度」になります。ただし、サンプル内部に外部とつながっていない空間(閉細孔)がある場合には、その内部空間にはガスが到達できないため、厳密にいえば測定結果は「真密度」にはなりません。
この場合の測定結果は、「見かけ密度」と呼ばれるものになってしまいます。(図4参照) 図4 見かけ密度
  図4 見かけ密度
   
なお、密度の定義は、測定手法、測定対象の大きさ、形状、用途、さらに業界、分野等によっても 微妙に異なる場合がありますので、上記の定義が絶対的なものではありません。ご注意ください。
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