粉博士のやさしい粉講座:実践コース

 

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実践コース:測り方疑問解決編
レーザ回折式粒子径分布測定装置
25 サンプル量
ここでは、SALD-2300の場合を例にとって、レーザ回折式粒子径分布測定装置を用いた湿式測定において必要とされるサンプル量について考えてみましょう。
(ここで示す具体的な数値は、基本的にはSALD-2300のものであり、機種によっては異なる場合があります。)
サンプル量は、媒液量と粒子量の総量となりますが、粒子量は通常の測定ではほとんど誤差範囲となるので、媒液量と考えても差し支えありません。
図1に示すようなサンプラとフローセルの組み合わせを用いて測定を行う場合、サンプル量は280ccとなります。
SALD-MS23 
図1 サンプラとフローセルの組み合わせによる測定

図2に示す回分セルの場合、サンプル量は12ccです。

 
図2 回分セルによる測定
サンプラとフローセルの組み合わせを用いる場合も、回分セルを用いる場合も、セルの光路長は6mmであり、適正濃度範囲は、数10ppm~100ppm程度です。媒液として有機溶媒を用いる場合、あとの処理を考えるとサンプル量は少ないほうが都合がよいわけです。しかし、分布幅の広いサンプルを測定する場合、測定対象粒子のサンプリング誤差と測定の再現性の問題を考えると、粒子量が多いほうがよいので、サンプル量の多いサンプラとフローセルの組み合わせを用いなければなりません。さらに、分布幅がそれほど大きくなくても、測定上限付近の大きな粒子や密度の大きな粒子を測定する場合、プレートによる攪拌を行っても、粒子の沈降の影響を考慮すると、回分セルによる測定は適していません。サンプル量は280ccになりますが、サンプラとフローセルの組み合わせを用いるべきです。

図3 高濃度サンプル測定
図3に示す高濃度サンプル測定の場合、粒子濃度は、数%~20%となり、サンプル量に占める粒子量の割合は増加しますが、極少量のサンプルをスライドグラスに挟み込んで測定を行うので、媒液量も粒子量もきわめて少量となります。

中途半端な濃度のサンプルを測定する場合には、図4に示すようにスライドグラスに円形の「くぼみ」を掘った「くぼみ付きスライドグラス」を使用します。

図4 くぼみ付きスライドグラス
この「くぼみ付きスライドグラス」と普通のスライドグラスを組み合わせることによって「くぼみセル」ができます。これは、比較的濃度が低く、二枚の普通のスライドグラスで挟み込むだけでは、光路長が短すぎて十分な回折・散乱光強度が得られない場合に有効な方法です。
くぼみの深さは、0.05~0.5mmまでの6種類から選択することができます。この場合、くぼみの深さが光路長となります。
くぼみの深さとサンプル量の関係を表1に示します。
このくぼみセルは、非常に高価で極少量しか使えないサンプル、極少量しか採取できないサンプルの測定に有効です。
例えば、医薬品の開発過程で、ラットに医薬品を投与し、その結果、尿に析出される粒子の測定が行なわれています。ところが、サンプル量を確保するために多数のラットから採取したサンプルを混合したのでは、測定の意味がなくなってしまうので、一匹のラットから採取される極少量のサンプルを測定しなければなりません。この場合、深さ0.05 mm( 50μm、)サンプル量0.015 ccのくぼみセルでうまく測定することができます。
 
表1くぼみの深さとサンプル量の関係
くぼみの深さ サンプル量 粒子濃度(重量%)
0.5 mm(500μm) 0.15 cc 数百ppm~数%
0.4 mm(400μm) 0.12 cc
0.3 mm(300μm) 0.09 cc
0.2 mm(200μm) 0.06 cc
0.1 mm(100μm) 0.03 cc
0.05 mm(50μm) 0.015 cc
くぼみ無し 0.01 cc以下 数%~20%
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