この「くぼみ付きスライドグラス」と普通のスライドグラスを組み合わせることによって「くぼみセル」ができます。これは、比較的濃度が低く、二枚の普通のスライドグラスで挟み込むだけでは、光路長が短すぎて十分な回折・散乱光強度が得られない場合に有効な方法です。
くぼみの深さは、0.05~0.5mmまでの6種類から選択することができます。この場合、くぼみの深さが光路長となります。
くぼみの深さとサンプル量の関係を表1に示します。
このくぼみセルは、非常に高価で極少量しか使えないサンプル、極少量しか採取できないサンプルの測定に有効です。
例えば、医薬品の開発過程で、ラットに医薬品を投与し、その結果、尿に析出される粒子の測定が行なわれています。ところが、サンプル量を確保するために多数のラットから採取したサンプルを混合したのでは、測定の意味がなくなってしまうので、一匹のラットから採取される極少量のサンプルを測定しなければなりません。この場合、深さ0.05 mm( 50μm、)サンプル量0.015 ccのくぼみセルでうまく測定することができます。
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