粉博士のやさしい粉講座
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実践コース:測り方疑問解決編
レーザ回折式粒度分布測定装置
21 任意%粒子径とメディアン径
粒度分布データは粒子径スケールに対する積算%や頻度%として表現されますが、逆に、積算%のスケールに対する粒子径として表現される場合もあります。

図1に示すように積算%の分布曲線が10%の横軸と交差するポイントの粒子径を10%径、 50%の横軸と交差するポイントの粒子径を50%径、さらに90%の横軸と交差するポイントの粒子径を90%径といいます。10%、50%、90%がとくに固定されているわけではなく、必要に応じて、任意の積算%が用いられます。これを「任意%粒子径」と呼んでいます。


図1

50%粒子径は、メディアン径とも呼ばれ、ごく一般的に用いられています。

複数のサンプルの粒度分布の大きさを比較するとき、測定対象の大きさを一つの数値で代表する必要があるため、このメディアン径がよく用いられます。このため、メディアン径は、平均粒子径とよく混同されることがありますが、定義が異なり、通常この2つの径は一致しません。中心(50%径)に対して粒度分布が左右対称である場合に限って、これら2つの径は一致します。

つぎに、任意%粒子径の計算方法を図2および式(1)、(2)に示します。

図2

まず、積算%をQaにおける任意%粒子径をxaを求めることにします。

このxaの両側の2つの粒子径xj+1およびxjにおける積算%Qj+1およびQjが既知であるとき、積算%Qaにおける任意%粒子径xaは、(1)および(2)式を用いて計算することができます。

Qaを50%として計算を行なえば、メディアン径(=50%径)を求めることができます。
 
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