粉博士のやさしい粉講座
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実践コース:測り方疑問解決編
レーザ回折式粒度分布測定装置
14 回折・散乱光の光強度分布データの活用
レーザ回折・散乱法を用いた粒度分布測定においては、実際に検出される生のデ-タは、回折・散乱光の光強度分布デ-タ(パターン)です。この光強度分布デ-タから計算によって粒度分布を求めます。(下図参照)

したがって、SALDシリーズは粒度分布測定装置であると同時に、回折・散乱光の検出装置という側面をもっています。
回折・散乱光の光強度分布データの活用

粒度分布を求めるために用いられる情報は、光強度分布データの一部分です。それ以外に、光強度分布データの中には、粒子の形状、表面の状態、屈折率など、様々な物理および化学的情報が含まれています。

現状では、これらの粒度分布データ以外の情報を、定量的に取り扱うことはできませんが、パターンの特長を抽出し、定性的に評価することは可能です。

例えば、粉粒体を原料とする製品において、良/不良が発生するとき、原料の粒度分布データを見る限りでは全く差異がなく、回折・散乱光の光強度分布データには差異が認められるという場合があります。

このような場合、完全な定量的評価は困難であっても、光強度分布データの パターンを用いて、原料の品質管理を行うことは可能です。実際に、粒度分布データと同時に、光強度分布データを積極的に最先端の研究開発や品質管理に用いられているケースも少なくありません。
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