古くなった装置を新しい装置に更新する場合や、原材料(粉粒体)を供給する側と購入する側で持っている装置が異なる場合、メーカ・機種間の粒度分布データの互換性が問題になります。
測定原理が異なれば、データの互換性が得られないのは、しかたがないとしても、レーザ回折式粒度分布測定装置(レーザ回折・散乱法に基づく粒度分布測定装置)を用いているのに、機種間の差異によってデータの互換性が得られないということは、なかなか納得しがたいものです。
メーカ・機種間のデータの互換性を左右する要因は、基本的には、前述した「測定結果を決定づける要因」と同一です。個々の要因における小さな差異の積み重ねが、全体として互換性を損なう結果をもたらす。
レーザ回折式粒度分布測定装置は、ここ10年の間に、測定範囲や分解能等の性能が著しく向上した。このような急速な発展・進化の状況で、新機種の開発に際して、100%のデータの互換性を保つことは困難です。また、メーカ間の技術的格差も増大してきています。
データの互換性・継続性を重視することには、落とし穴が存在することもあります。
既存の測定装置が測定範囲や、サンプラの循環機構の限界により、大きな粒子の存在を検出できていなかった場合、その測定結果との互換性を重視して新規の測定装置を選択すると、またしても正確な測定が達成されないことになります。
現実の問題として、メーカ・機種間の粒度分布データの互換性が得られる可能性が高いのは表2に示した条件が満たされた場合です。
表2 メーカや機種が異なっていても、粒度分布データの互換性が得られる可能性が高い場合の条件
|