粉博士のやさしい粉講座
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実践コース:測り方疑問解決編
 
レーザ回折式粒度分布測定装置
3 測定範囲
粉博士イラスト レーザ回折・散乱法の適用範囲は、数10ナノメータからミリメートルにおよびます。ただし、レーザ回折式粒度分布測定装置(レーザ回折・散乱法に基づく粒度分布測定装置)の具体的な数値は、測定装置の光学系(光源の波長、回折・散乱光センサの配置や集光レンズの焦点距離など)、さらに測定対象(サンプル)のサンプリングの手法にも依存します。
 
カタログなどに表示される測定下限の数値はあくまでも分布の下限ということであり、50%径(メディアン径)の測定下限はそれよりも大きくなります。逆に、測定上限の数値も分布の上限ということであり、50%径(メディアン径)の測定上限はそれよりも小さくなります。また、固体粒子からなる粉体を圧搾空気で分散させて乾式で測定する場合、分散性の問題から1μm程度が実質的な下限と言われています。
 
湿式測定の場合の測定上限は、光学系(光源の波長、回折・散乱光センサの配置や集光レンズの焦点距離など)だけでなく、サンプラの循環系の影響も大きく、比重の重い粒子は、要注意です。メーカ・機種によっては、測定範囲の上限が1000μm(1mm)を超えていても、数百μm程度の測定対象をうまく測定できない場合があります。ポンプの循環力が弱いと、測定対象(サンプル)中の大きな粒子が循環しにくくなり、小さな粒子の量を過大に評価してしまうために粒度分布が小さな方にシフトしてしまい、正確な測定ができないことがあります。ポンプによる粒子の循環力は、カタログに記載されているポンプの流量だけでは評価できません。実際に試してみることをお勧めします。
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