粉博士のやさしい粉講座
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実践コース:測り方疑問解決編
 
レーザ回折式粒度分布測定装置
1 はじめに
粉博士イラスト 粒度分布測定には、多種多様な測定原理が存在します。また、それらの測定原理に基づいて、さらに多種多様な測定総理が開発され販売されています。
その中でも、1990年代に入り、「レーザ回折・散乱法」を測定原理とする粒度分布測定装置が、様々な創意工夫とコンピュータやセンサ技術の確信を背景として、急速な進歩を遂げました。
 
「レーザ回折・散乱法」を測定原理とする粒度分布測定装置を「レーザ回折式粒度分布測定装置」と呼んでいます。メーカによっては「レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置」やその他の名称を採用している場合もあります。
レーザ回折式粒度分布測定装置の特徴を列挙すると、
 
測定範囲は、数十ナノメートルからミリメートルにおよび、しかもワンレンジで測定できる。
測定時間が短く、リアルタイムで粒度分布の変化を監視できる。
湿式測定も乾式測定も可能です。
などの優れた特長を獲得し、現在では粒度分布測定装置の主流となっています。
 
しかし、単に測定装置の進歩だけでは克服できない問題もあります。
現実には、様々なユーザが、さまざまな場所で、各種の測定原理を採用した複数のメーカの新旧の装置を混在して使用しています。このことは、良く考えてみれば、どのような製品においてもごく一般的な状況なのですが、粒度分布測定装置においてはいくつかの問題が発生する要因となっています。
 
厳密にいえば、粒度分布は測定原理に依存し、測定原理が異なれば名称は同じでも異なった「粒度分布」を測定していることになってしまいます。また、メーカ・機種間のデータの互換性の問題も考えなければなりません。これらの問題が、現時点でも、粒度分布測定の限界として立ちはだかっています。
 
この現実を踏まえ、粒度分布測定装置、とくにレーザ回折式粒度分布測定装置に関するする主要な疑問にお答えしようと思います。
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