粉博士のやさしい粉講座
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中級コース:粉の測り方いろいろ
2 レーザ回折・散乱法による粒度分布測定
測定装置の中で回折・散乱光が検出されるしくみ
1. 光源から出たレーザビームはコリメータによって少し太いビームに変換されます。
2. このビームが測定対象となるサンプル粒子群に照射されます。
3. レーザビームが照射された全ての粒子から、 回折・散乱光が発せられ、それらの光が重ね合わされた光強度分布パターンが発生します。
4. 前方散乱光の光強度分布パターンはレンズによって集光され、焦点距離の位置にある検出面に同心円状の回折・散乱像を結びます。
5. この回折・散乱像を、同心円状に受光素子が配置された前方回折・散乱光センサ(Wingセンサ)で検出します。
6. 前方だけでなく、側方や後方の光も側方散乱光センサと後方散乱光センサで検出します。
光強度分布パターンを検出するためのセンサ
直径1μmの粒子から生じる光強度分布パターン これがSALDシリーズ(3100/2100/7000)で用いられているWingセンサです。
 
このセンサはまるで鳥の翼のようなユニークな形をしていますが、実際には広い範囲の光を検出する 非常に大きな同心円状のセンサとして機能します。
 
このセンサを使って、前方方向(レーザビームの進行方法)の光強度分布パターンを検出します。
 
Wingセンサの中央の部分は54素子です。2枚の「翼」の部分が、それぞれ11素子となっています。
 
この他にも、側方散乱光センサと複数の後方散乱光センサが用いられています。
 
Wingセンサと側方/後方散乱光センサの全ての検出素子を用いて、回折・散乱光の空間的光強度分布パターンを正確に検出しています。
直径1μmの粒子から生じる光強度分布パターン
センサで検出される回折・散乱光の光強度分布データ
実際に粒子群から発せられる回折散乱光の光強度分布パターンをセンサで検出して得られる光強度分布データは このようになります。
直径0.1μmの粒子から生じる光強度分布パターン
粉博士イラスト
  1つ1つのセンサ素子で検出される強さではなく、全体的な光のパターンが重要なんじゃよ。  
つづく
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