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粉博士のやさしい粉講座:初級コース
化学吸着システム(一酸化炭素吸着)による白金触媒の特性評価
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燃料電池は、今後のエネルギー問題、環境問題を解決するための有力な手段のひとつとして多方面から期待を集めています。この燃料電池の研究開発においても粉体・微粒子測定は重要な役割を果たしています。
燃料電池にはさまざまな種類がありますが、その中の固体高分子型燃料電池を例に挙げて、粉体・微粒子測定の役割を考えてみましょう。
固体高分子型燃料電池では膜電極接合体(MEA)が使用されますが、その部分的なモデルを図1に示します。ここでは、カーボン粒子を担体とした白金担持触媒が使用され、触媒層を形成しています。
図 1 膜電極接合体( MEA )の部分的モデル
触媒層の評価としては、まず。カーボン担体粒子の評価として
・
レーザ回折・散乱法による粒度分布測定
・
ガス吸着法による比表面積・細孔分布測定
を行う必要があります。
また、ガス流路として機能する粒子間の隙間の評価には、
・
水銀圧入法による細孔分布測定
が考えられます。水銀圧入法によるカーボン粒子層の測定例を図2に示します。粒子間の隙間は、カーボン担体粒子自身の細孔に比べて大きいので、ガス吸着法よりも水銀圧入法が適しています。
逆に、カーボン担体粒子自身の細孔については、大きなものは、水銀圧入法で測定できますが、数10nm以下の細孔構造を確実に把握するためには、ガス吸着法での細孔分布測定の必要があります。
図 2 水銀圧入法によるカーボン粒子層の測定例
白金触媒粒子の効果については、
・
水素ガス等を用いる化学吸着測定
で、評価を行います。
同じ量の白金を用いた場合、担体表面への露出の割合が大きいほど、触媒としての機能は向上します。化学吸着測定によって金属分散率、金属表面籍、結晶粒径などの指標を求めて、この評価を行います。
もちろん、カーボン担体粒子の粒度分布や比表面積・細孔構造も白金担持触媒の性能に影響を与えます。
白金は非常に高価であり、触媒としての機能を落とさずに量を減らすことができれば、燃料電池全体のコストにも大きく貢献することになります。
また、電解質膜の細孔構造の評価にも、ガス吸着法や水銀圧入法が用いられます。
固体高分子型燃料電池では、比較的低温での電極反応を円滑に行うための金属触媒が必要です。代表的なものが白金触媒です。
ここでは、化学吸着システム(一酸化炭素吸着)による白金触媒(カーボン担体)の評価例をご紹介します。(高機能比表面積/細孔分布測定装置ASAP2020 化学吸着システムを使用)
化学吸着システム(一酸化炭素吸着)による白金触媒の評価例
上図に、ある白金触媒に対する一酸化炭素の吸着等温線データを示します。赤で示しているデータが1回目の吸着等温線、緑は2回目の吸着等温線です。図において、横軸は圧力(mmHg)、縦軸は標準状態における吸着量(cm
3
/g)を示しています。
1回目と2回目の間には一定時間の真空排気だけが行われています。また、青の線は、1回目と2回目の差分を示しています。(この例では吸着ガスとして一酸化炭素を使用していますが、水素で評価することもあります。)
1回目の吸着には、「強い化学吸着と弱い物理吸着」が混在しています。2回目の吸着前には真空排気が行われていますので、「強い化学吸着」をしていたものが固体上に残り、「弱い物理吸着」をしていたガス分子だけが取り去られています。つまり2回目の吸着測定では「弱い物理吸着」だけが再現していることになります。
一酸化炭素と白金の間では「強い化学吸着」が起こり、一酸化炭素とカーボン担体の間には「弱い物理吸着」が起こると考えられていますので、1回目の吸着量と2回目の吸着量の差分(すなわち青で示されたデータ)から「強い化学吸着」をしたガスの量を求めることができ、この値から白金触媒の特性(金属表面積、金属分散率など)を求められます。
いうまでもなく、白金は非常に高価であり、触媒としての特性を損なわずに、使用量を減らすことができれば、燃料電池全体のコスト削減にもつながります。したがって、このような白金触媒の特性評価は、燃料電池の開発において非常に重要な要素となっています。
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