システムGCによる光化学的CO2還元反応生成物の分析
システムGCによる光化学的CO2還元反応生成物の分析
システムGCとは,分析目的に合わせてカスタマイズされた特注のGCです。
(1)あらかじめ最適な分析条件が組まれている,
(2)一台のGCに複数の分析ラインを設けることができ多成分分析に適している,
などを特長としています。
光化学的CO2還元反応では,ギ酸,ホルムアルデヒド,メタノール,メタン,一酸化炭素,水素などが生成されます。
生成反応は溶液中で起こりますが,生成物の一部は気相に放出されるので,分析は液相と気相の両方を行います。
本システムでは,カラムの付け替え作業を必要とせず,液相と気相の分析を同一システムで行うことができます。

光化学的CO2還元反応における反応生成物分析用のシステム例
装置 | 分析ライン | 成分名 | 検出下限 | 検出器 |
GC1 | 1 | 水素(H2) | 1ppm | TCD |
メタン(CH4) | 0.4ppm | メタナイザーFID | ||
一酸化炭素(CO) | 1ppm | |||
2 | ホルムアルデヒド(HCHO) | 2ppm | メタナイザーFID | |
メタノール(CH3OH) | 1ppm | FID | ||
GC2 | 3 | ギ酸(HCOOH) | 5ppm | メタナイザーFID |
注1) 反応液の組成によってシステム構成や検出下限が異なります。 上記は,水に無機塩(吸着・腐食・反応などを起さない塩)が溶解した場合のものです。
注2) ギ酸の分析には抽出等の前処理が必要になる場合があります。
システムGCを用いて,光化学的CO2還元反応における生成物(CO, H2, HCOOH)の分析を用いました。COとHCOOHのクロマトグラムをFig.1に示しました。
システムGCでは一台の装置に複数の分析ライン(分析カラム)を組み込むことが可能です。そのため,無機ガス成分と高極性有機物成分のような,本来は別々のカラムを用いる(別々の装置を用いる)分析も,一台の装置で対応することが可能です。BID検出器はGCに一台しか搭載できないため,無機ガス成分と高極性有機物成分を分析する場合は,カラムを付け替える必要があります。対象成分が多くて,一種類のカラムで分析できない場合はシステムGCが便利です。

Fig.1 光化学的CO2還元反応における生成物のクロマトグラム
北里大学理学部・JST さきがけ 石田 斉准教授,倉持 悠輔特任助教ご提供データ
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