バイオディーゼル燃料中のFAME,トリグリセリドの分析
バイオディーゼル燃料中のFAME,トリグリセリドの分析
近年,自動車燃料の環境への負荷低減のため,バイオマス(生物資源)由来の物質を燃料として利用する取り組みが行なわれています。 この中で,食用油などをメチルエステル化した脂肪酸メチルエステル(FAME)はバイオディーゼル燃料(BDF)として注目されています。 このBDFは軽油と混合されて(BDF 混合軽油),一般のディーゼル車に使用される動きがあり,その品質安定性等を確保するため新たな規格項目と対応する分析試験法の追加が検討されています。
HPLCによって廃食油メチルエステルおよび油脂(パーム油)を様々な濃度で添加した軽油中のFAMEとトリグリセリドを分析しました。
- 添加濃度(メチルエステル, 油脂)(wt%)
-
- (a) 0.1 , 0.01
- (b) 0.5 , 0.02
- (c) 1.0 , 0.03
- (d) 5.0 , 0.05
- (e) 10.0, 0.10
FAME,トリグリセリドともに多成分の混合物であるため,ピークがブロードになったり歪んだりすることがありますが,データ処理ソフトウェアのグルーピング機能などを利用して定量することができます。
高速液体クロマトグラフ
試料中の各成分の含有量を測定する機器です。分析機器の流路に液体を流しておき,試料を入れるとカラムと呼ばれる分離管の中で試料成分が分離され,検出器でその量を測定します。HPLCではGCに比べて気化しにくい成分や熱に弱い成分も扱えるために,測定対象となる成分や試料はとても幅広くなります。