MSイメージングによるラット腎臓横断面の解析
MSイメージングによるラット腎臓横断面の解析
質量分析装置を用いて,病理組織切片上にある生体分子や代謝物の局在を可視化するMSイメージング法は,疾病の診断や予後管理などに重要な情報を提供する技術として注目されています。
ラット腎臓組織切片(凍結切片)にマトリックス(シナピン酸)を200 μm間隔で分注して、ペプチド/タンパク質のMSイメージングを行った結果を下記に示します。
m/z2,547イオンとm/z4,683イオンの組織切片上の二次元分布を色分けした後、それらを重ね合わせることにより(b)の二次元分布図が得られました。
このように、 MALDI-TOF MSイメージングではペプチドやタンパク質などの注目した特定質量の分子の組織切片上での分布を明瞭に可視化することができます。
MALDI-TOF MSイメージングシステムとは・・・
MALDI-TOFMSを使用するMALDI-TOF MSイメージングは、サンプルの抽出・標識なしで組織切片上の生体分子や代謝物を直接測定して、その位置情報と検出したイオンの信号強度によって、目的とする生体分子の二次元分布を表示する新しい技術です。試料の前処理には、酵素やMALDI-TOF MS用マトリックス等をピコリットルレベルで微量分注できるケミカルプリンタCHIP-1000を使用することにより再現性の高いMALDI-TOF MSイメージングを実現します。