RBMの波数から算出

SWNTの直径をRBMの波数から算出しました。
下図は単層カーボンナノチューブ(SWNT)のラマンスペクトルです。
ラマンでは、代表的なピークとして低波数側から RBM、D-band、G-bandのピークが観測されます。

  • RBM(Radial Breathing Mode):100-300cm-1,ナノチューブ直径が伸縮する振動
  • D-band:1350cm-1付近、欠陥(Defect)に由来するピーク
  • G-band:1590cm-1付近、グラファイトの面内振動

RBMの振動数は直径の逆数に比例しますので、直径を計算できます。
D(nm)=248/ω=248/184=1.3(nm)

なお、ラマンでは平均値を見ていますが、SPM(走査プローブ顕微鏡)では、個別に直径を見ていくことができます。

単層カーボンナノチューブ(SWNT)のラマンスペクトル

(試料ご提供:名古屋大学大学院 理学研究科 篠原研究室)
 

ラマン分光光度計

ラマン分光光度計

レーザー光を試料に照射し、試料からのラマン散乱光を受光してラマンスペクトルを求めます。ラマンスペクトルは分子の振動に基づくもので、ラマンスペクトルから物質の定性や構造に関する知見が得られます。