セルロースナノファイバー分析・ 計測機器カタログPDF
構成糖
CNFに含まれる構成糖の分析
セルロースは植物細胞の細胞壁や植物繊維の主成分で,セルロース繊維が束になってCNFを構成しています。植物はセルロースの他にも,ヘミセルロースやリグニンなどで構成されますが,それらの比率は植物の種類や部位,生育した地域によって異なります。CNFの純度はセルロースの構成糖成分を分析することで把握できます。
CNFは加水分解して単糖にすることで,構成糖成分の分析が可能になります。右図は加水分解した試料をHPLC構成糖分析システムで分析した結果です。
- カラムで分離後,糖類をアルギニンを含む反応液と加熱反応させることにより蛍光誘導体化し,高感度に選択性良く検出するシステムです。
広葉樹パルプ由来(A),針葉樹パルプ由来,(B)では,セルロース由来のグルコースとヘミセルロース由来のキシロースの比率が異なり,植物の種類の違いで,CNFの純度が異なることが分かります。グルコースを原材料に酢酸菌で生成される発酵ナノセルロースNFBC(C)は,の全成分がグルコースにより構成されています。TEMPO酸化セルロースナノフィブリル(D)には,グルクロン酸が含まれています。解繊処理のためミクロフィブリルの表面のグルコースがTEMPO触媒によりイオン化し,マイナスの電荷を有するグルクロン酸となって検出されたことが分かります。