蛍光X線分析装置(EDX)を用いてインク中の元素分析を行いました。
インキのような液体は,液体試料容器に注入し,容器ごとHe雰囲気中で測定します。試料容器の測定面にはX線の吸収の少ない樹脂の薄膜(例えばポリプロピレン)を使用します。
インキの定量分析では,主成分の組成式をバランスとして入力する必要があります。ここでは組成式はH2Oとしました。
試料量の影響を受けないように,深さ10mm程度まで液体を注入します。試料量が少ない場合,小径の少量用試料容器もあります。
Clには,Rhターゲットを持つX線管から発生するRhLαが重なります。RhLα除去のため,Alフィルタを用い,Na-Scとは別条件で測定しました。

インキの定性定量分析


 

蛍光X線分析装置

X線を試料に直接照射して,そこから発生する2次元X線(蛍光X線)のエネルギーと強度を測定します。これにより試料の構成元素(定性)と濃度(定量)が非破壊で測定できます。化学的前処理が不要で,多元素同時測定であるため迅速分析が可能です。固体,粉体,液体等のあらゆる試料形態の元素の種類を、簡単に短時間で特定することができます。