ポリエチレンフィルムのラメラ構造の観察/SPM

私達の身の回りには,様々な形で高分子(ポリマー)が活躍しています。その表面は,ラメラ構造に代表される興味深い形状を有し,その素材の透明度や強度に関係しています。
ここでは,走査型プローブ顕微鏡により,ポリエチレンのフィルムの表面観察を行い,三次元像と弾性像を同時に得ました。
三次元像では表面の微細な凹凸が観察されています。弾性像ではラメラ構造が明瞭に観察され,高分子の結晶化の様子がわかります(結晶化が進み硬くなっている部分ほど明るく表示されています)。
画像は,一辺1μmです。このようににSPMを用いることで,高分子フィルムの重要な情報を大気中で簡単に得ることができます。

ポリエチレンフィルム表面の三次元像(左)と弾性像(右)


 

走査型プローブ顕微鏡

試料表面を微小な深針で走査することによって,三次元形状を高倍率で観察する顕微鏡です。大気中や溶液中で固体や膜表面のナノメートルオーダーでの観察と形状測定が可能です。