異種接合におけるEPMAを用いた微細部の組成分布評価の有効性紹介

Q : とてもきれいな断面が出ているのですが,どのようにこれらの断面を出しているのでしょうか。

A : 湿式の機械研磨です。その後,表面の汚れを除去するためフラットミリングを少し行っています。

Q : EPMAで定量分析する際は,検量線の作成は必要ですか。

A : 定量分析にはZAF補正する定量分析と検量線分析があります。今回の定量分析は,標準試料と未知試料を測定してZAF補正しています。

Q : EPMAでは,元素の状態も観察できますか。

A : 化学結合状態ということでお答えいたします。元素によっては,炭化物や酸化物,硫化物や硫酸物などの状態が分かるものがあります。

Q : 機械研磨ということですと,目の粗さなどはどのくらいですか。

A : 湿式の機械研磨です。耐水研磨紙Grit300前後で面出し後,液体ダイアモンド(9μm,3μm),アルミナ(0.05μm)で仕上げています。

Q : 金属間化合物の種類が分かりますと,何がうれしいのでしょうか。

A : 金属間化合物の種類によっては,脆いものがあります。そのためどのような金属間化合物が形成されているを調べることがあります。また,複数の金属間化合物の存在を確認することがあります。

Q : LongでもZnをうまく排出できない理由は何でしょうか。ShortではZn残存量が少ないから,時間かけて排出したZnがまた戻って来るでしょうか。なぜでしょうか。

A : 基本は接合時のツール荷重と温度です。Longの条件は不明ですが,おそらくShortよりも荷重が低いと推察します。その結果,条件によってZnの排出に違いが生じるものと思います。

Q : EPMAによる評価は,n数どれくらいでしょうか。Znの残存数やIMCの厚さのデータとしての再現性が知りたいです。

A : n数は,1になります。EPMAの場合はある断面のみになる(つまり同じ試料でも12時から6時の方向,9時から3時の方向でも異なります)ため,全体の傾向としての捉えています。

Q : プレゼンいただいた画像で,個人的にはクラックが見えにくかったのですが,EPMA画像からどのようにクラックがあると判定されたのでしょうか。

A : 一部低倍率やクラックの小さいものがPC上で確認しにくかったかもしれませんが,平らな断面に隙間があるとクラックとして確認できます。また,クラック割合ということで,クラック部をフルカラー表示の黒色部の面積率で示しています。

Q : 相解析を行う意義は何でしょうか。定量分析とは異なるのでしょうか。

A : 相解析を行うと,相図として異なる相の分布を示すことができます。定量分析は数値になりますが,画像として扱うことができます。

Q : EPMAの測定データをみると,周辺部と中央部でかなり様子が異なるため,攪拌接合の強度は単に回転速度よりも,中心からの距離と角速度の積によって最適値が得られるのでしょうか。

A : FSSWはツール中心部と周辺部で温度分布が生じるため接合状態に違いが出ます。金属間化合物が厚くなり過ぎないようにツール荷重や回転数,保持時間などのパラメーターを接合実験ベースで決めているのが現状です。

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