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LCtalk特集号「移動相の脱気」

5-6)脱気方法以外

 脱気方法ではないが,送液ポンプへの気泡流入を減少できる可能性のあるものとして,「移動相ビン上置き」や「気泡トラップ」などが考えられます。

<移動相ビン上置き>
 移動相ビンを,図38のように送液ポンプより高い位置に設置します。 これにより,ポンプ入口部に少し圧力がかかるようになるため,IN側逆流防止弁の動作不良が減る(逆流防止弁が正常であればあまり関係はありません),ポンプ入口部に気泡が入ってもやや圧縮される,などの効果が期待されます また,サクションチューブ内の小さな気泡は,浮力によってポンプに入りにくくなります。 
 このように,“移動相ビン上置き”はメリットが多いため,オンライン脱気ユニットを用いている場合でも実行して頂くことをおすすめします。
<気泡トラップ>
 気泡トラップを移動相ビンと送液ポンプの間に設け,図39,40サクションチューブを流れる気泡が,送液ポンプに入らないようにすることができます。 トラップ内に移動相を引き込む(トラップ内から気泡を吸い出す)時には,シリンジ入口に注射器を接続して吸引します。 
 本法の短所として,(1)移動相交換に時間を要する(例えば,少なくとも内容量の10~20倍は液を流す必要がある)(2)低圧グラジエントを行うポンプ入口部には使えない(正常なグラジエントが出来なくなる)などがあり,オンライン脱気ユニットを用いている場合は,使う意味はありません。 
移動相ビン上置きの例
図38  移動相ビン上置きの例
気泡トラップ原理図
図39 気泡トラップ原理図 
図40 気泡トラップ設置図 
   

* 本ページはLCtalk特集号5(1991年)をhtml化して一部修正を加えたものです。
従って,最新の装置情報・技術情報とは一致していない所があります。