移動相の脱気

 
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LCtalk特集号「移動相の脱気」

3.流路中での気泡発生によるトラブル

3-2)ポンプ内での気泡発生による送液不良

 移動相ビン内の溶液に溶解している空気が飽和溶解量以下であっても,ポンプを通過する際に気泡が発生することがあります。

(1)低圧混合グラジエント ・・・・・・異なる溶媒を大気圧(もしくはやや減圧)下で混合するため,メカニズム2-3)により,図11中赤ワクの所で気泡が発生します。 いくらグラジエントミキサがポンプ下流(高圧側)に設置してあっても,図中赤ワクの所ですでに混合が始まるので,多かれ少なかれ気泡発生が起こります。一方,高圧混合グラジエントの場合は,混合が始まる所がポンプ下流(高圧側)であるので,この問題は起こりません。

(2)サクションフィルタの目詰まり ・・・・・・サクションフィルタが目詰まりしていると,吸引時の抵抗が大きく,フィルタ内部が減圧になって気泡が発生しやすくなります。目詰まりは,フィルタの放置によりゴミが付着したり,前の移動相が緩衝液であることを知らずにメタノールを流すことなどにより起こります。なお,目詰まりが軽度であれば,移動相の充分な脱気により気泡発生を防止できますが,これは本来は,フィルタの洗浄や交換によって解決すべき問題です。

これらによって発生するトラブルは3-1)の場合と同じです。

図11 低圧混合グラジエント

図12 サクションフィルダの洗浄

図13 サクションフィルタの洗浄

ちょっと道草

サクションフィルタの洗浄法
 サクションフィルタに不溶性物・ゴミが詰まった場合は,図12のように超音波洗浄器中で逆洗を試みてみましょう。化合物の析出であれば,洗浄液を水→A→イソプロピルアルコール→クロロホルム(A;酸性有機化合物なら希アンモニア水/メタノール,塩基性有機化合物なら希りん酸水/メタノール)に切り替えて洗います。さらにポンプを使って充分洗浄してみましょう(図13)。洗浄後も大流速時にサクションチューブに気泡が見える場合は交換して下さい。
 なお,洗浄液として金属粉に対しては希硝酸(アルコールと触れないようにして下さい)を,金属イオンにはEDTA・-2Na水を,たんぱくにはSDS水溶液を用いることが多いようです。

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