3.流路中での気泡発生によるトラブル
3-3)カラム内での気泡発生・滞留によるチャネリング
一般にカラム内では圧力がかかっているため,空気の飽和溶解度が上がっており,気泡は発生しにくいはずです。 しかし,カラム出口付近の比較的圧力の低い部分では,オーブンで加温されていると気泡が発生しやすくなります。 また,ポンプを素通りしてきた気泡が滞留することも考えられます。
このような場合には,カラム内での移動相の流れは一様でなくなり,結果的にピーク変形が起こる場合があります(図14)。
なお,カラムからの気泡の抜けにくさは,大口径カラムほど顕著になります。 従って分取用カラムをHPLCに取り付ける場合は,少しでも気泡が浮力に逆らわなくて済むように入口側を下に出口側を上に取り付けることをおすすめします。

図14 カラム内気泡によるチャンネリング