イオンクロマトグラフィーQ&A ■ カラムの洗浄・保存・トラブル

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Q: 精製水でカラムを洗浄したらきれいになりますか?(お問い合わせ番号IC0501)
A: 多くの場合,効果はありません。


 イオン交換クロマトグラフィーでは,溶離液の塩濃度が高くなるほど全体の溶出が早まります。 ということは,イオン類がほとんど含まれない精製水は,究極的に溶出 力の弱い溶離液ということになります。 洗浄効果はほとんど期待できません。
 また,一部のイオン交換樹脂は,溶離液のイオン強度の変化によって膨潤・収縮することがあります。 そのような樹脂を充填したカラムを使用している場合は,精製水の送液によって負荷圧の上昇や分離性能の低下をもたらす危険性があります。なお,カラムを除く流路全般については,塩類の析出による目詰まりを防ぐため,精製水にて洗浄することを推奨します。

 
Q: カラムを使わないときは,どのように保存したらよいですか?(お問い合わせ番号IC0502)
A: とにかく充填剤を乾燥させないよう密栓してください。


 カラムをしばらくの間使用しない場合は,装置から外して両端を密栓し,温度変化の少ない場所に保存してください。 絶対に充填剤を乾燥させないようにしてください 。
 保存時の封入液については,短期間 (1ヶ月以内) であれば溶離液のままでかまいません。 それ以上になる場合は,約1ヶ月毎に新しい溶離液を通液し,封入液を入れ替えることをお勧めします。
 なお,イオンクロマト用のカラムに封入する溶液は,大抵は希薄な塩を含む水溶液であるため,長期間の保存によって微生物が繁殖することがあります。 数ヶ月から数年にわたって保管しなければならない場合は,防腐効果のある試薬 (アルコールなど) を封入液に添加しておくか,充填剤の耐久性の面からそれが許されない場合はときど き封入液を入れ替えてください。