イオンクロマトグラフィーQ&A ■ カラム使用上の注意点

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Q: メインカラムを保護するためのガードカラムは必要ですか?(お問い合わせ番号0401)
A: イオンクロマト用の分離カラムは一般に高価なので,少しでもその寿命を延ばすためにガード カラムの装着をお勧めします。


 ガードカラムは,メインとなる分離カラムと同じ性質の充填剤を充填したミニカラムで,メインカラムの直前に装着します。 その役割は,試料中に含まれる成分のうち,充填剤に強く吸着する成分をトラップしてメインカラムに入り込むのを防ぐ点にあります。
 イオンクロマト用の分離カラムは一般に高価です。 価格の安いガードカラムを装着することにより,トータルとしてのランニングコストを低減することができます。
 また,イオンクロマト用の分離カラムは一般に通液可能な溶液の組成(有機溶媒の種類や濃度,pH 範囲など) に制限があります。(取扱説明書をご参考ください。, 参考:イオンクロマトグラフィーに用いるカラムの使用制限 カラムを洗浄したくても, 汚れを溶かし出すことができるような洗浄液を通液できるとは限らないのです。 この点からも,ガードカラムで汚れを止めることの必然性が高いと思われます。
 なお,ガードカラムを装着したからといって,メインカラムがまったく劣化しないというわけではありません。 溶離液を通液するだけでも長期的にはカラムの性能が低下していきます。 したがって,メインカラムが安価に入手できる場合には,それを消耗品とみなしてガードカラムを装着しないのもひとつの選択肢といえます。
 

 
Q: 新品のカラムを使用開始するとき,特別な注意点などはありますか? メインカラムを保護するためのガードカラムは必要ですか?(お問い合わせ番号0402)
A: 安定化時間を長めにとること,負荷圧や分離能力などの初期性能を確認しておくことが重要で す。


 カラムの出荷時に封入されている溶液と,実際に分析に使用する溶離液との組成が異なる ことがあります。 そのような場合は,十分に溶液が置換されるまで時間がかかりますので,"Q:溶離液をカラムに送液する際は,最初から分析時の 流量で送液しても問題ありませんか?"にも書いたように,通常よりも低い流量で長時間溶離液を送液しましょう。

 特に,封入液と溶離液のどちらかに有機溶媒を含む場合や,充填剤に強く保持されるようなイオン (多価電解質など) が溶離液に含まれる場合は,安定に数時間を要する ことがあります。

 また,新しいカラムの初期性能を記録しておくことは,その後のトラブルシューティングで役立ちます。 安定時における負荷圧の記録と,標準 試料を分析したときのクロマトグラムは最低限残しておくようにしましょう。
 

 
Q: イオンクロマト用分離カラムを取り扱う上での一般的な注意事項を教えてください。(お問い合わせ番号0403)
A: 充填剤は大抵樹脂でできていますから,通液可能な溶液の範囲 (溶媒の種類,濃度,pHなど) を守ること,必要以上の負荷圧を かけないこと,乾燥させないことなどが肝要です。


 HPLCでもっともよく用いられる分離カラムは,いわゆる「ODSカラム」と呼ばれるもので,シリカゲルをベースとしています。 安価で機械的強度が高く,多種類の有機溶 媒の通液に耐えます。
 一方,イオンクロマトでは無機イオンを主な分析対象としますから,イオン交換樹脂を充填したカラムがよく用いられます。 これは,シリカゲルに比べて一般に以下の ような欠点を持ちます。
 
極性の異なる溶媒を通液すると膨潤・収縮し,性能が低下する。
→ 通液可能な溶液の範囲 (溶媒の種類,濃度,pHなど) を守るべき。
  参考:イオンクロマトグラフィーに用いるカラムの使用制限
→ 頻繁に異なる組成の溶液に置換するのは避けるべき。
機械的強度が低いため,耐圧が低い。
→ 必要以上に高い負荷圧をかけた状態では使用しない
いったん乾燥すると,不可逆的に変化する
→ 絶対に乾燥させない。

 もうひとつ,ODSカラムに比べてイオンクロマト用カラムは一般に高価です。 早期に劣化すればランニングコストの上昇に直結しますので,大事に扱うようにしましょう 。 また,常にガードカラムを装着した状態で使用することを強く推奨します。(参照:Q:メインカラムを保護するガードカラム は必要ですか?
 
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