既存LCシステムを省溶媒対応型LCシステムへアップグレード

 

  分析条件(例)  
  アップグレード内容 溶媒消費率* 流量[mL/min] サンプル注入量[μL] 分析時間[min]
現在 150mmL×4.6mmI.D.カラム使用 1 1.0 10 60
プラン1 カラムのみを交換
(例:75mmL×4.6mmI.D.)
約1/2 1.0 10 約30
プラン2 カラム (例:75mmL×3mmI.D.)に加え,
配管/検出器セル/グラジエントミキサを交換
約1/5 1.0 4 約12
プラン3 ProminenceシステムをUFLC仕様へ
(カラム例:75mmL×2.0mmI.D.)
約1/10 0.5 2 約12

* 現在の分析における溶媒消費量を1としたときの消費比率の目安を示しています。

各プランを実施されるにあたりカラムをお探しの場合は,” カラムの選択について”をご参考ください。

プラン1について

現在より長さが1/2のカラムに交換することにより,溶媒消費量を約1/2に削減するプランです。カラムのみを交換します。 分離を維持するために,充てん剤粒子径が小さいカラム (2.2μm)を採用します。 カラムの選択をはじめとしたご相談/お見積もりはお問い合わせフォームをご利用ください。

注1) 詳細は短いカラムへの乗り換えをご覧ください。
注2) グラジエント分析時はタイムプログラムやミキサ容量を変更する必要があります。メソッド移行プログラム テクニカルレポートNo.24と一緒にダウンロードできます。をお使い頂くとスムーズにタイムプログラムを変更していただけます。
注3) カラムが短くなるために,溶出の早いピークについてはカラム外拡散の影響が現れることがあります。上記プラン1適用例の場合,現在のカラムでの分析(流量:1mL/min)によって得られたクロマトグラムにおいて,最も早く溶出する目的成分の溶出時間が,目安として4分より遅いことなどの制約条件があります。また,同条件において,最も速く溶出する目的成分の溶出時間が8分(目安)より速い場合は,カラム接続配管(オートサンプラ出口からカラム入口までの配管)の交換も必要です。

プラン2について

 既存LCシステム(LC-VPシリーズなど)のいくつかの部品をオプション部品と交換することにより,溶媒消費量を約1/5に削減するプランです。
カラムの選択やアップグレード部品の選択などに関するご相談/お見積もりは お問い合わせフォームをご利用ください。

注1) 流路配管を0.1mm(または0.17mm)に交換することに加え,セミミクロセルを使用してカラム外拡散を抑制します。また,グラジエント分析の場合,ミキサをセミミクロミキサに交換して,グラジエント遅れを小さくします。 詳細は高速化への移行をご参考ください。
注2) トリフルオロ酢酸(TFA)など紫外吸収を有する物質を含む移動相を使って高感度な吸光度検出を行う場合は,ご相談ください。
注3) 既存LCにプランジャ洗浄キットが使用されていることをご確認ください。

プラン3について

 既存LCシステム(Prominenceシリーズ)を超高速LC「UFLC」へアップグレードすることにより,溶媒消費量を約1/10に削減するプランです。 UFLCであれば,さまざまな分析条件への対応が可能なため,効率的な省溶媒が達成できます。 カラムの選択やアップグレード部品の選択などに関するご相談/お見積もりはお問い合わせフォームをご利用ください。

注1) プラン2と同様に,流路配管を0.1mm(または0.17mm)に交換することに加え,セミミクロセルを使用してカラム外拡散を抑制します。また,グラジエント分析の場合,ミキサをセミミクロミキサに交換して,グラジエント遅れを小さくします。詳細は高速化への移行をご参考ください。
注2) オートサンプラのバルブを超高速分析対応バルブに交換します。また,いくつかのユニットにつきましては,ファームウェアのバージョンアップが必要です。⇒ お問い合わせ/お見積もりはこちら
注3) トリフルオロ酢酸(TFA)など紫外吸収を有する物質を含む移動相を使って高感度な吸光度検出を行う場合は,ご相談ください。
注4) 既存LCにプランジャ洗浄キットが使用されていることをご確認ください。

カラムの選択について

 現在お使いのカラムをより短いカラムに変更する際,不純物との分離に影響がないことが求められます。 できるだけ分離能や選択性を変えないようにするには,充てん剤の炭素含有量,エンドキャップの程度,ODS修飾率が現在お使いのカラムと同等のものを選択して頂くことが望ましいです。(Shim-pack XR-ODSの場合,炭素含有量は18.4%,表面処理はエンドキャップ処理,表面修飾はモノファンクショナルです。)

 ファーストチョイスは プラン1でご紹介しましたように,カラム長さ1/2で粒子径のより小さいカラムになります。例えば150mm×4.6mmI.D.カラム(粒子径5μm)をお使いの場合,75mm×4.6mmI.D.カラム(粒子径2.2μm)のカラムに変更すると,分離を維持したまま分析時間を半分にすることができます。

品名 P/N
Shim-pack XR-ODS(75mm×4.6mmI.D.) 228-41607-93
Shim-pack XR-ODS(100mm×4.6mmI.D.) 228-41607-94

 カラム長さを短くすると同時に内径の小さいカラムを選択すると,分離を維持したまま大幅に時間短縮を図れます。但し,高速化への移行で説明しましたように配管や検出器セルでのカラム外拡散の影響を受けるため,省溶媒実現プラン2プラン3に従って既存装置のアップグレードが必要です。 Shim-pack XR-ODSについては, 様々な高速分析例をご用意しておりますので,分析条件の検討時にご参考いただけます。 またODSの他に,オクチル(C8)基,プロピルフェニル基をシリカに修飾した高速分析カラムもあります。

品名 P/N 特長
Shim-pack XR-ODS
(75mm×3.0mmI.D.)
228-41606-93 従来の150mmカラム相当の理論段数を示します。汎用LCの高速分析に適しています。
Shim-pack XR-ODS
(75mm×2.0mmI.D.)
228-41605-93 セミミクロ分析やLC-MSの高速分析に適しています。
Shim-pack XR-C8
(75mm×3.0mmI.D.)
228-59902-93 オクチル基で表面修飾されています。脂溶性ビタミンなどODSで保持の強い成分の分析に適しています。75mm×2.0mmI.D.(228-59901-93,61000円)もあります。
Shim-pack XR-Phenyl
(75mm×3.0mmI.D.)
228-59904-93 フェニルプロピル基で表面修飾されています。芳香族化合物の保持が強いなどODSと分離選択性の異なります。75mm×2.0mmI.D.(228-59903-93,61000円)もあります。

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