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TOC測定方法

測定の種類

水中のTOCを求める方法には次の2種類があります。

TC-IC法:TC測定値とIC測定値の差から求める。(TOC = TC-IC)
NPOC法:前処理でICを除去した後、TC測定によって求める。(TOC = TC)

IC測定

TOC測定におけるICとは、水中の無機体炭素(CO2:溶存二酸化炭素、HCO3-:重炭酸イオン、CO32-:炭酸イオン)に含まれる炭素の合計です。下式のように、溶存二酸化炭素、重炭酸イオンおよび炭酸イオンは水のpHに依存した平衡状態を保っています。

pHが低くなると平衡は上式の左へ移動し、pH=3以下になるとほとんどすべてのICは溶存二酸化炭素となります。
IC測定にはこの現象を利用します。つまり、酸を添加してpHを3以下に調整した試料をCO2フリーの気体で通気することでICをすべて二酸化炭素として抽出し、その量を測定します。

TC-IC法とNPOC法の使い方

TC-IC法とNPOC法は共にTOCを測定する方法ですが、試料性状によって使い分けて利用されています。
水道水や純水のようにTOC濃度が低い試料はTCに占めるICの割合が高いため、TC-IC法ではTC測定、IC測定それぞれの測定値のわずかな誤差やばらつきがTOC測定値に大きく影響し、測定精度の低下を招きます。したがってこのような試料にはTC-IC法が適さず、ほとんどの場合にNPOC法が用いられます。
一方、揮発性の有機化合物を多く含む試料や泡立ちやすい試料などの場合、NPOC法では試料の通気処理の際に揮発性有機化合物が試料から揮散してしまうことや、泡立つことで試料量を正確に計量できないことが生じてしまうためTC-IC法が利用されています。

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