

TOC 50周年記念特設サイト

水道水管理におけるTOCについて
水道水の検査項目の1つに全有機体炭素(TOC)があります。
ここでは、水道水管理におけるTOCの役割についてご紹介します。
TOCとは?
TOCとは、全有機炭素(Total Organic Carbon)の略称で、有機物量のひとつの指標として様々な分野で使用されています。
水道分野では以前は有機物量指標として過マンガン酸カリウム消費量が使用されていました。しかし過マンガン酸カリウム消費量の測定には次のような問題がありました。
- 有機物の種類によって値が変動する
- 測定者によって測定値に差が生じる
- 同一測定者が実施しても測定精度が安定しない
そこで、ほとんどの有機物を100%近く酸化することができ、また測定者に依存しない機器分析であるTOC測定が注目され、2005年に過マンガン酸カリウム消費量に代えてTOCが導入されました。
TOCは、機器分析で簡単かつ精確に測定できるだけでなく、数分程度の非常に短い時間で測定をすることができます。
TOC測定の目的
水道水の安全性確認
浄水処理で使用される消毒剤と有機物が反応すると、人にとって有害な物質が発生する可能性があると言われています。そのため、水道水の中のTOCは、水道水の安全性を確認するための重要な指標になります。
また、TOCは水道水の味にも影響すると言われており、水道水のおいしさの指標にも使用されています。
浄水処理の管理
浄水場では、微生物や有機物を除去するために様々な工程があります。
それぞれの工程でTOCを測定することで各工程が正しく機能していることを確認することができます(TOCの他にpH値や濁度も測定します)。また、TOCを測定することはこのような浄水処理機能の確認だけでなく、浄化処理の最適化にもつながります。各工程で測定したTOCの量に合わせて薬剤の量を調整することで、浄水処理にかかるコストの削減をすることができます。
