広島大学大学院 総合生命科学研究科

広島大学 大学院 総合生命科学研究科

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    MultiNA (マルチナ)

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佐久間 哲史 先生

佐久間 哲史 先生

*お客様のご所属・役職は掲載当時のものです。

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ユーザーレビュー

 

先生のご研究内容について教えてください!

ゲノム編集の新規ツールや新規手法,またゲノム編集から派生した応用技術など,ゲノム編集に関連する基盤的技術の開発が主たる研究テーマです。これまでに,高活性型のTALENバリアントである「Platinum TALEN」や,CRISPR-Cas9による複数箇所の同時改変に有用な「マルチガイドCRISPR」,新規遺伝子ノックイン法である「PITChシステム」,ゲノム編集の不確実性を改善する「LoAD法」などを開発してきました。また,開発した技術やノウハウをさまざまなグループと共有し,共同研究としてゲノム編集の応用研究を推進するのも,私の研究のもう一つの柱です。

参考URL:http://www.mls.sci.hiroshima-u.ac.jp/smg/index.html

 

ご研究の中で,MultiNAはどのようにご活用いただいていますか?

DNAやRNAの電気泳動は,ゲノム編集のみならず制限酵素による切断のチェックやPCR結果の確認,in vitro RNA合成の品質チェックなど,分子生物学実験の基本的な解析法として汎用されますので,日々の実験の中で用途は無限にあります。ゲノム編集実験における活用法としては,やはりゲノム編集結果の判定(ジェノタイピング)での利用価値が高いです。ヘテロ二本鎖移動度分析(HMA),ミスマッチ特異的ヌクレアーゼによる変異解析(Cel-Iアッセイ,T7E1アッセイ),制限酵素断片長多型(RFLP)による解析,またCRISPR-Cas9を用いたRFLP(RGEN-RFLP)など,電気泳動に依存したジェノタイピング法は多数報告されていますが,後述するように高い分離能と定量性を有するMultiNAは,いずれの解析にも適しています。

 

MultiNAについて,レビューをお願いします!

MultiNAは,島津のマイクロチップ技術により,アガロース電気泳動はもちろん,他社の電気泳動装置と比較しても高い分離能を有していると感じています。また,最大で100を超える検体をセットして自動分析ができるのも強みです。我々は技術開発を専門にしていることもあり,主に培養細胞を用いて,さまざまな条件でのゲノム編集の結果を大量に,かつ精度よく,定量的に評価しなければならないケースが多々あります。そのため,多検体を処理することができ,自動分析も可能な電気泳動装置であるMultiNAは正に必須の機器です。実際に,MultiNAが研究室になかった時期には,アガロースゲルでサンプルを泳動し,トランスイルミネーターで撮影した画像から,ImageJを用いてバンドの濃さの定量を行っていました。MultiNAの便利さに慣れてしまった今では,膨大な量のサンプルに対し,一つずつ手作業での解析を行っていくことは,とても耐え難いでしょう(笑)。また我々のように技術開発を専門にしている研究室でなくとも,色々な変異を有する細胞クローンを多数樹立するなどの目的で,多検体処理を行う必要性は多々あろうかと思います。特にアガロースゲル電気泳動を毎日のように稼働させている研究室では,MultiNAを導入して損をしたと感じることはまずないはずです。

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