分光光度計機器のデータインテグリティ強化

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なぜ,データインテグリティに対応する必要があるの??

データインテグリティ対応していない分析機器に対して規制当局であるFDAから以下のような警告文が届き,早急な対応を要求されます。

Warning Letter 320-18-55 Letter Issue Date: May 23, 2018
You did not have procedures for reviewing audit trails or electronic data for the Fourier-transform infrared spectroscopy or ultraviolet systems.
貴社は、オーディットトレイルや電子データを照査するための手順をFT-IRやUVシステムに対して準備していなかった。

 

Warning Letter 320-17-25 Letter Issue Date: February 24, 2017
Our investigator observed that your laboratory systems lacked controls to prevent your staff from altering or deleting electronic data. Analysts manipulated and deleted audit trails. You lacked adequate controls for all HPLC, gas chromatography, and ultra-violet systems.
我々FDA査察官は、貴社のラボにおいて、電子データの削除や変更を貴社のスタッフが行えないようにするための管理がなされていないことを発見した。分析者がオーディットトレイルを操作したり削除しており、適切な管理をHPLC、GC、そしてUVシステムに対して実施していなかった。

 

Warning Letter. 320-17-01 Letter lssue Date: October 13, 2016
In responce to this letter, provide details of your retrospective review of the HPLC and other laboratory data, such as Fourier transform infrared spectroscopy, gas chromatography, UV spectrophotometry, and (b)(4) analyzer data.
本ウォーニングレターへの回答には,HPLCおよび分析ラボの他の装置のデータ,例えばフーリエ変換赤外分光光度計(IR)やガスクロマトグラフ(GC),紫外可視分光光度計(UV)および(b)(4)アナライザのデータに対して回顧的に照査した結果を報告すること。

 

Warning Letter. 320-15-09 Letter lssue Date: April 6, 2015
You lacked controls to prevent the unauthorized manipulation of your laboratory’s electronic raw data. Specifically, your infrared (IR) spectrometer did not have access controls to prevent deletion or alteration of raw data.
貴社は、不正操作を抑制するための管理を分析ラボの生データに対して実施していなかった。とりわけ、赤外分光光度計(IR)では、生データの削除や変更を防ぐためのアクセス管理がなされていなかった。

 

 

データインテグリティとレポートセット

データインテグリティとは「データの完全性」のことを表し,データがすべて揃っていて欠損や不整合がないことを保証することを意味します。つまりデータそのものだけではなく,メタデータ(条件設定やデータ解析など人の手が介在する作業の結果)を目に見える形で提示し,そしてデータと共に照査することが求められます。これを実現するのがレポートセットです。

 

島津製作所のLabSolutions レポートセットとは?

ソフトウェア内に散在する操作情報(人の手が介在する操作・設定)を集めて,一つのレポートにまとめる機能です。
電子書籍と同じような感覚で,ページをめくりながら内容確認が行えるため,これまでのように画面やタブを切り替えながら操作・設定の確認を行う必要が無くなります。

島津製作所の分光光度計におけるレポートセット※1,2作成手順

分光光度計のレポートセット作成手順はクロマト機器の手順に準じていますので,クロマト機器の場合と同様に簡単な手順で行うことができます。

※1 UV,FTIR,RFのレポートセットについては,2019年1月現在下記(1)~(2)の機能に未対応です。
 (1)測定メソッドへのID付与
 (2)複数データに対する測定メソッドの重複印刷の回避
※2 UV,FTIR,RFのレポートセットは,LabSolutions CSネットワークおよびLabSolutions DBスタンドアロンに対応しています。
※3 レポートセット作成時のファイル選択については,UVのフォトメトリックの場合,一つのファイルを選択すると関連するファイルを含めたレポートが作成されます。一方,UV,FTIR,RFのスペクトル測定では,複数ファイルが関連する場合,それら複数ファイルを手動で選択します。
※4 分析シーケンス測定の場合は,バッチデータセットからレポートセットが作成できます(一連のデータのレポートが作成できます)。
※5 ログについては,測定時のログが記載されます。再解析する場合,再解析時のログも記載されます。
※6 ロックされたファイルについては,権限を有する者のみがロック解除可能です。

 

分析シーケンス(オプション)

データインテグリティ対応においては,不正操作をしていないことを提示できるシステムが望まれています。島津製作所では,これを実現するために,分光光度計に対して分析シーケンスの概念を導入。これにより,試験指図書(あるいはSOP)に従って一連の分析を実施したことが確認できるようになりました。ここで,LabSolutionsの分析シーケンス(オプション)を活用したワークフローは,

 ①試験指図書(あるいはSOP)に従ってシーケンスを組む。(下図参照)
 ②オペレータは,シーケンスファイルに示されている順番に従って分析を進める。
 ③試験責任者は,シーケンスの実行によって得られた一連のデータをレポートセットを使って照査する。
という3つのステップで進められます。

分光光度計に対する従来のデータインテグリティ対応では,孤立データ(Orphan Data:分析を実行したにもかかわらず照査されずに放置されているデータ)をいかに抑制するのかが大きな課題となっていましたが,LabSolutionsの分析シーケンス(オプション)を導入することにより,単にデータインテグリティ要件を満たすだけではなく,効率的で確実な運用が可能になりました。

注意:
 1) 蛍光光度計RF-6000を制御するLabSolutions RFには対応していませんが,近日対応を予定しております。
 2) 紫外可視分光光度計を制御するソフトウェアはLabSolutions UV-Visのみ対応します。UVProbeには対応しておりません。また今後UVProbeへの対応予定もございません。対応が必要な場合には、LabSolutions UV-Visをご購入の上,分析シーケンスを別途ご購入ください。

 

赤外顕微鏡のデータインテグリティ対応(オプション)

分析ラボにおいては,品質管理部門が所有する機器であれ,品質保証部門が所有する機器であれ,GMP環境下で使用する機器はGMP対象となるため,CSV(コンピュータ化システムバリデーション)やデータインテグリティへの対応が求められることになります。当社の赤外顕微鏡AIM-9000は,適格性評価(IQ/OQ)への対応が可能であるだけではなく,データインテグリティへの対応が可能な制御ソフトウェアAIMsolutionを用意していることから,異物解析用途の赤外顕微鏡としてGMP対応が可能になります。

操作は簡単。確認試験用途に使用する弊社LabSolutions IRソフトウェアを起動し,ソフト内に組み込まれている赤外顕微鏡測定用の「AIM測定」をクリックすることにより,従来のAIMsolutionが起動します。あとは各種条件を設定して測定を開始。測定終了後,取得したデータは自動的にLabSolutions IRソフトウェアに転送され,その後上位転送されます。

注意:
 1) AIMsolutionマッピングソフトウェアをお使いになられる場合には,データインテグリティ対応できません。
 2) 測定はAIMsolutionで行います。上記の分析シーケンスには対応できません。

 

データインテグリティ関連情報

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