『表面処理(粗面化)された歯科用インプラント』レーザー共焦点顕微鏡による粗さ測定 / OLS

『表面処理(粗面化)された歯科用インプラント』レーザー共焦点顕微鏡による粗さ測定 / OLS

 近年、歯科治療法としてインプラント治療法を採用する人々が増えて来ています。長年の技術の蓄積により、その成功率は格段に向上し世界中で多くの患者に恩恵をもたらしています。より確実な施術を行う上でも使用される材料の有効性、安全性を確保することは重要です。
 厚生労働省では、『歯科用インプラント承認基準の制定』を行い、形状・構造や物理的・化学的性質等が規定されました。その中の物理的性質の中には、表面処理、疲労試験、曲げ強さ、曲げ弾性率などが規定されています。
 ここでは、表面処理(粗面化)された歯科用インプラントのレーザー共焦点顕微鏡による粗さ測定を紹介します。

粗さ測定について

 レーザ共焦点顕微鏡を用いての粗さ測定は、画面の中心軸と垂直な方向に対し、測定長さ 256µm、対物倍率50倍、画像取得データ数1024で粗さデータを取得することと定められています。さらに、粗さパラメータとして、算術平均粗さ(Ra)、および最大高さ(Rz)をカットオフ(ハイパスフィルタ)は適用せずにµ単位で算出することと、スクリュ谷部の異なる3箇所で行い、各平均値を算出することが定められています。

歯科用インプラント スクリュ部のOLS4000 共焦点レーザー観察像

歯科用インプラント 粗度化ための表面処理された面の明瞭な観察像

対物レンズ 100倍

対物レンズ 100倍

粗度化の表面処理面の鮮明な画像
表面処理された最終製品全体の鮮明なカラー写真(左)と処理された面の鮮明なカラー写真(中央)および高解像度レーザー顕微鏡写真(右)を取得しました。

この画像は、大気中でかつ試料前処理の必要なく取得できます。

インプラント スクリュー谷部 3点の粗さ測定とRa、Rz平均値算出 結果のレポート

観察・測定した結果をそのままレポートに転送し結果をまとめました。 レポートには顕微鏡画像、算出プロファイル、数値パラメータ表 規格値からの判定(OK、NG)、および観察条件など、必要な情報をレイアウトされた画面に表示し出力します。

インプラント スクリュー谷部 3点の粗さ測定とRa、Rz平均値算出 結果のレポート


3D測定レーザー顕微鏡

3D測定レーザー顕微鏡 OLS5000

3D測定レーザー顕微鏡

3D測定レーザー顕微鏡OLS5000の外観を示します。この装置は波長405 nmのレーザー光と白色LED光を使用することにより高分解能なレーザー観察像とカラー像が得られます。さらに三次元形状(3D)計測や粗さ測定を非接触で行うことができます。