細胞培養では,生体外で細胞の生命活動を維持するために,日々の観察や状況に応じた操作を実施することが重要です。例えば,培養容器内に播種された接着細胞に対しては,位相差顕微鏡で観察することで順調に増殖しているかを確認し,増殖に欠かせないアミノ酸類などの栄養素が入った液体(培地)を適宜交換します。培養容器の底面を覆うまで細胞が増殖したら,酵素処理で培養容器から剥離させ,細胞数を計測し,新しい培養容器に適正数の細胞を植え継ぎます(継代培養)。こういった作業を実施するためには,日々の観察を実施する位相差顕微鏡,細胞を操作する場となる清浄空間を準備する安全キャビネット,細胞の数を測定するためのセルカウンターなどの様々な実験機器が必要です。
島津製作所では,細胞の培養操作を支援する実験機器についても提供していくことで,細胞培養のトータルサポートを目指していきます。

細胞培養のサイクルと増殖後の活用例 

細胞培養のサイクルと増殖後の活用例

細胞観察

HDMIデジタルマイクロスコープ倒立顕微鏡 AE2000-1080M

シンプルで使用しやすく,保存画像とライブ画像をモニター上に同時表示可能

細胞培養では,細胞形態や全体の増殖具合を確認することで,次に実施する培養操作を決定することがあります。毎日観察したり,複数の培養容器を観察することがあるため,使い勝手の良さも重要です。AE2000-1080Mは,シンプルで使用しやすく,接続されたモニター上でライブ画像を表示可能なので,観察を非常に楽に実施することができます。

細胞数計測

ダイナミック粒子画像解析システム iSpect DIA-10

信頼性の高い粒子検出システムで,細胞数を計測

接着細胞は,培養容器底面を全て覆うまで増殖し新たに増殖していく面がなくなると細胞密度が過多になり死滅していきます。それを防ぐために,観察によって培養容器の被覆具合を確認し,剥離酵素で培養容器から細胞を剥がし細胞懸濁液にしたあと,細胞数を計測し,新しい培養容器に植え継ぐ継代操作が実施されます。iSpect DIA-10は,細胞懸濁液を流路に流して、流路内を高速で画像撮影し,その画像から物体を検出することで,個数やサイズなどの情報を得ることができます。信頼性の高い粒子検出システムで,細胞懸濁液から細胞数を計測することができます。
また,細胞塊(スフェロイド)の計測を目的とし,細胞塊が入った細胞懸濁液を計測し,サイズ分布を確認し,細胞塊の評価を実施することもできます。

クリーンな作業空間

バイオハザード対策用キャビネット

作業者や周囲環境への汚染を封じ込め,洗浄空間を提供

培養操作では,培養容器内で外部からの汚染を原因としたコンタミネーションが発生しないよう清浄空間を保つことはもちろんですが,感染性のあるサンプルを扱うこともあるため作業者や周囲環境への汚染を封じ込めることも重要です。バイオハザード対策用キャビネットは,給気系と排気系を独立させ,循環させない全排気(オールフレッシュ)方式で,気流を循環しないバイオハザード実験に適したキャビネットです。

各装置に関するお問い合わせはこちら 
※お問い合わせ内容欄に装置名やご希望の内容(見積り,カタログ,詳細説明,デモ希望など)をご記入ください。

他の工程へのリンク

工程名をクリックすると、他の工程の詳細が表示されます。

培養細胞を利活用するプロセス例 

クローニング 細胞製造/非侵襲評価 細胞塊 物性評価