Solutions for Cell Research


現在,培養細胞は,創薬支援(疾患メカニズムの解明や病態再現,実験動物代替),細胞製造(再生医療や細胞治療),細胞を用いた有用物質生産(抗体医薬やワクチン)など,様々な目的で活用されています。それぞれの目的に応じて,用いられる培養細胞(ヒト由来のHeLa細胞や、ヒト由来のiPS細胞、チャイニーズハムスター由来のCHO細胞、昆虫由来のSf9細胞,HEK293細胞等),培地(細胞を培養する液体)や容器(細胞を培養する入れ物)も様々であることから,細胞を増やす培養技術も多岐にわたっています。このような中で,培養細胞の解析技術の重要性は益々高まるばかりです。

ここでは,液体クロマトグラフや質量分析計,材料試験機など,島津製作所がこれまで多分野において開発してきた製品や技術を細胞培養の分野で活用し,ゲノム編集等の遺伝子改変技術による目的細胞株の作製から,拡大培養,細胞塊・組織形成,物性評価など,細胞利用のプロセスに沿ったソリューションを紹介します。
当社は,細胞研究・細胞関連産業に携わる基礎研究者や企業の皆様を支援するため,これら自社保有技術にとどまらず,関連技術を保有する多くの企業と連携しながら,細胞を扱うお客様へのベストソリューションの提供を目指しています。

培養細胞を利活用するプロセス例

培養細胞を利活用するプロセス例 

クローニング 細胞培養 細胞製造/非侵襲評価 細胞塊 物性評価

各プロセスの詳細は下記のリンクよりご確認いただけます。

クローニングとは,遺伝子導入・ゲノム編集の後,細胞の選別,回収,遺伝子確認などの煩雑な作業工程を経て,目的のクローン株を樹立する工程を指します。

細胞は,温度や栄養状態がコントロールされた環境下で育て,増やすことが求められています。

再生医療や細胞製造の培養工程においては,非侵襲的に細胞の品質に関する情報を取得し,製品状態を管理しようとする試みが行われています。

再生医療や創薬スクリーニングでは,増殖した培養細胞から,生体組織に類似した特徴を持つスフェロイドやオルガノイドのような細胞塊が活用されています。

細胞から作成した細胞シートや細胞塊などの生体試料においても,立体的な組織の強度や内部構造といった物性評価が求められています。

 

再生医療とは

再生医療は,2012年に山中伸弥教授がiPS細胞(人工多能性幹細胞)の発見によってノーベル医学・生理学賞を受賞され,急速に注目を集めている新しい医療です。元々は,病気や事故などによって失われた体の組織を再生することを目指して開発に取り組まれてきた医療技術で,失われた組織や臓器を元通りにする,根本治療を目指しています。患者の体外で人工的に培養した幹細胞やその幹細胞から人工的に構築した組織を,患者の体内に移植等することで,損傷した臓器や組織を再生し,失われた人体機能を回復させる医療です。

 

細胞治療・遺伝子治療とは

細胞治療には、健常人から採取したヒト間葉系幹細胞を体外で拡大培養し、患者さんに投与するものと、患者さんの体外に取り出した細胞にベクターで遺伝子を導入してから体内に戻すタイプとがあります。後者はex vivo遺伝子治療とも呼ばれ、CAR-T細胞療法が有名です。一方で、このex vivo遺伝子治療に対して、正常な遺伝子を入れたベクターを直接体内に投与する方法は、in vivo遺伝子治療と呼ばれ、ゾルゲンスマというアデノ随伴ウイルスベクターを利用した遺伝子治療用ベクター製品が承認を受けています。

抗体医薬とは

ヒトの体は,病原菌などの異物(抗原)が体内に入ってくると,その異物と結合する抗体を作り出し,異物を無毒化する免疫機能を有しています。
抗体医薬は,この免疫機能を人工的に利用した薬であり,病気の原因となっている物質に対する抗体を何らかの手段でつくり出して体内に入れ,病気の原因を排除することで,予防や治療を行うために用いられています。具体的には,乳がん細胞の細胞膜上に存在するHER2と呼ばれる蛋白質を抗原として開発され,1998年にアメリカで認可された「トラスツズマブ」が有名です。そしてこれら抗体医薬品の多くは,CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)を利用して製造されています。

 

ゲノム編集とは

ゲノム上の特定部位を切断できるように設計された人工制限酵素(ZFN,TAL effector nuclease,CRISPR/Cas9)を利用し,ゲノム配列に任意の欠失,挿入,置換といった変異導入を行う遺伝子改変技術です。

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