魚の耳石の分析 / EPMA

魚類の耳石には,同心円状の輪紋(日周輪,年輪)が見られ,年齢や成長速度などを調べることができます。耳石の主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)ですが,微量のストロンチウム(Sr)が含まれています。このSrの由来の一部として淡水や海水が考えられ,体内に取り込まれると成長過程においてCaに代わり耳石に蓄積されます。Sr濃度を調べることにより,魚の海遊歴を垣間見ることができます。

シロサケ耳石

シロサケ耳石

試料ご提供:北海道大学大学院水産科学研究院 工藤秀明准教授

電子線マイクロアナライザEPMA-1720 Series

非破壊的な分析法として細く絞った電子線を試料に照射し,微小部における元素組成を明らかにします。試料のミクロン領域を高感度で元素分析する装置です。サブミクロンオーダー定量分析と同時にSEM像を確認し,形状検査にも利用できます。異物等があれば,直ちに原因解析を行なえます。