レーザー顕微鏡によるチョコレートのブルーム現象の表面観察(OLS、SFT)

チョコレートのブルーム現象のレーザー顕微鏡による表面観察 /OLS,SFT

チョコレートとブルーム現象

チョコレートは熱に敏感で約25℃前後で急激に溶け出して中性脂肪分が浮き出てきます。これはチョコレートのブルームとよばれている現象です。さらに温度が下がるとこの脂肪分が固化します。この熱に弱く柔らかいチョコレートは,通常のSEMや触針式粗さ計では観察,測定が困難な試料です。
観察と測定を行なったブルーム現象なしとブルーム現象ありのチョコレートをFig.1に示します。

チョコレートの表面観察と表面粗さ計測

ブルーム現象なしとブルーム現象ありのチョコレートの偏光カラー観察像と表面の三次元形状(3D)をFig.2に示します。 さらに,表面形状から粗さの数値化をおこないました。ブルームなしの表面では算術平均粗さ Sa値が0.16ミクロン,最大高さ Sz値が2.39ミクロンであるのに対し,ブルーム試料では Sa値 0.46ミクロン,Sz値12.ミクロンとなりました。ブルームにより表面凹凸が増大していることが数値化されました。偏光カラー像では肥大化した脂肪成分の様子が観察できています。

チョコレート表面の偏光カラー観察と三次元形状(観察視野 □256μm)

Fig.2 チョコレート表面の偏光カラー観察と三次元形状(観察視野 256μm)


3D測定レーザー顕微鏡

3D測定レーザー顕微鏡 OLS5000

3D測定レーザー顕微鏡

3D測定レーザー顕微鏡OLS5000の外観を示します。この装置は波長405 nmのレーザー光と白色LED光を使用することにより高分解能なレーザー観察像とカラー像が得られます。さらに三次元形状(3D)計測や粗さ測定を非接触で行うことができます。

3D測定レーザー顕微鏡 OLS5000のマルチレイヤー機能と透明膜測定フィルターは従来のLSMでは困難な透明薄膜の形状観察,膜厚計測を可能にします。