カテキン類の高速分析(LC)

緑茶の健康への効果は早い段階から注目されてきました。特に,緑茶葉中約10~15%と多く含まれる渋味成分であるカテキン類については,血中コレステロールや体脂肪低下,ガン予防効果,抗酸化作用等々があることが報告され,数多くの研究がおこなわれています。最新の研究では,カテキン類で認知症を予防できる可能性があるということも報告されており,ますます注目されています。
緑茶の葉には化学構造の異なる4種類のカテキン類,エピカテキン(EC),エピガロカテキン(EGC),エピカテキンガレート(ECG),エピガロカテキンガレート(EGCG)が多く含まれています。また,お茶飲料を製造する過程の加熱処理で構造が変化し,一部がそれぞれ,カテキン(C),ガロカテキン(GC),カテキンガレート(CG),ガロカテキンガレート(GCG)となります。カテキン類は植物に数千種類あるといわれているポリフェノールの一種です。水に溶けているカテキン類の分離・検出にはHPLC(液体クロマログラフ)LC/MS(液体クロマトグラフ質量分析計)が有効です(LC/MSによる分析例はこちら)。
市販の緑茶飲料水を超高速LCで測定した例を示します。精製水で4倍に希釈後,メンブランフィルタ(孔径0.22μm)でろ過しました。
超高速LCで測定することで分析時間を大幅に短縮することができます。
また、メチル化カテキンを含めて一斉分析することも可能です(LC分析例はこちら)。

市販緑茶飲料のクロマトグラム

カテキン類,没食子酸,カフェインの構造式

高速液体クロマトグラフ

HPLCは,分析機器の流路に液体を流しておき,試料を入れるとカラムと呼ばれる分離管の中で試料成分が分離され,検出器でその量を測定する装置です。超高速HPLCシステムUFLCは高速高分離用カラムと組み合わせることで高分離,高い再現性を保ちつつ,汎用LCと比べて分析時間を1/10に短縮することができます。