エチレンオキサイド(EO)滅菌の残留物分析

エチレンオキサイド(EO)による滅菌は低温で実施できるため,熱に弱い樹脂や合成繊維からなる医療用具などの滅菌に用いられます。感染症の拡大防止のために使用されているマスクや医療用ガウンなどもEOによる滅菌が行われている場合がありますが,EOや二次生成物のエチレンクロロヒドリン(ECH)は毒性が高いため,これら滅菌残留物の試験法が定められています。
ここでは,EO滅菌の残留物の濃度や分析手法を記載した,International Organization for Standardization(ISO)10993-7や,ISOに基づいて制定された日本工業規格JIS T 0993-7に準じた分析例をご紹介します。

ヘッドスペース法によるEOの分析

ISO 10993-7やJIS T 0993-7は残留EOやECHの分析法としてガスクロマトグラフ(GC)による測定を示しており,ヘッドスペース法や液体注入法による分析を記しています。以下は「エタノールによる徹底抽出及びエタノール抽出液のヘッドスペースガス分析」を参考にして,ヘッドスペース GC法による残留 EOの徹底抽出を行った結果です。 プロピレンオキサイド(PO)を内部標準物質としてEOを定量します。規格にはEOとPOの分離度やピークのテーリングファクター,再現性などが規定されており,島津ガスクロマトグラフ Nexis GC-2030 とヘッドスペー スガスサンプラ HS-20のシステムはこれらの要求事項を十分に満たすことができます。

エタノール標準試料の赤外スペクトル

絆創膏とカテーテルの残留EO分析のクロマトグラム

IRSpiritと QATR-S

ヘッドスペースGCシステム

関連アプリケーション

ガスクロマトグラフ

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