FTIRによる樹脂表面の劣化評価

FTIRによる樹脂表面の劣化評価

樹脂は加熱や各種有機溶剤,酸性もしくはアルカリ性溶液などに加え,紫外線によっても変性,劣化することがあります。特に屋外で使用される樹脂製品には紫外線に対する耐性が必要です。そこで今回はアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂に紫外線を照射し,FTIRを用いて紫外線による影響を分析しました。

『FTIR 1回反射ATR法』
1回反射ATR法は直径約2mmのプリズム表面に試料を密着させて赤外スペクトルを測定する手法です。試料をプリズムの中心付近に密着させるだけで測定できるため,平らな試料に限らず曲面を持つ試料や粉体試料でも測定できます。液体試料であればプリズム上に滴下するだけで測定できます。
下図は1回反射ATR測定装置MIRacle10をフーリエ変換赤外分光光度計IRAffinity-1Sに搭載した外観写真と光学系を示す模式図です。プリズム側から照射された赤外光はプリズムと試料の界面で反射する際に試料表面(深さ1µm前後)の情報を得ます。このため試料の希釈などの前処理を必要としないだけでなく,試料表面に関する情報が簡単に得られます。

フーリエ変換赤外分光光度計

主に有機化合物の構造推定(定性)を行う分析装置です。
赤外線を分子に照射すると,分子を構成している原子間の振動エネルギーに相当する赤外線を吸収します。この吸収度合いを調べることによって化合物の構造推定や定量を行います。
 

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