CFRP材の破壊現象の観察

複合材料は,構造材として強度・軽量化などの面から金属材料に変わる素材として注目されています。炭素繊維強化プラスチックCFRP材(Carbon Fiber Reinforced Plastics)は航空機や自動車などのボディ材料として非常に注目されており,その他様々な構造材への利用も研究されています。
このような実用化を目標とした様々な観点からの複合材料の評価・試験が行われている中で,複合材料がどのような破壊過程をたどり破壊するのかを観察することにより,強度向上や製造方法の改善などが行われています。CFRP材の破壊過程は非常に高速な脆性破壊現象であり高速度ビデオカメラが必要となっています。

高速度ビデオカメラによってCFRP材の破壊過程の観察しました。

  • CFRP材の破壊過程を撮影した例をFig.1に示します。
  • 試験速度:0.5mm/分 厚み 1.13mm
  • トリガ信号は供試体に貼り付けたアルミ箔が断線する信号を用いました。

CFRP 0度UD材の破壊は一箇所から開始し,その後複数縦割れ(繊維に平行な方向に裂ける)が生じ,裂けた供試体が波打つように崩壊していく様子が観察できました。

 

 

Fig.1:CFRP材の破壊過程を撮影した例

 

このようにパンクチャー衝撃試験機と高速ビデオカメラを組合せることにより,材料の衝撃物性評価と破断性状の観察を同時に行うことが可能になり,機能樹脂単体から複合材料まで幅広く材料開発をサポートできます。

 

ハイドロショットHITS-P10

高速パンクチャー衝撃試験機

安全・信頼性向上の要求が高まる中,材料・部品の動的強度(対衝撃特性)の評価がますます重要となってきています。本機は最大時速72km/h(20m/sec)の速度により,最大試験力・エネルギー・変位等のデータが得られます。
打ち抜きタイプ(HITS-P10)と引張負荷タイプ(HITS-T10)があります。
 

HyperVision HPV-2

高速度ビデオカメラ

撮影速度100万コマ/秒の超高速で100枚の連続画像が撮影可能です。 撮影速度にかかわらず解像度312×260ピクセルが一定で,最高撮影速度になっても変わりません。 1台の制御パソコンから複数台(最大4台)のカメラを同期撮影できることにより,複数視野からの現象観察が可能です。 引張試験機と同期した撮影を行うことにより,応力データと高速画像を対比した観察が可能になります。