全石油炭化水素分析における大量注入法による感度向上および前処理の簡素化

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ユーザーベネフィット

- マルチモード注入口(MMI)の大量注入法により、従来のスプリット法と比べて高感度に測定ができます。 - 水素キャリアを用いることにより、分離能を維持したまま分析時間を短縮することができます。 - 濃縮工程を省略できるため、前処理の作業時間を1検体当たり約12 min短縮できます。

はじめに

全石油炭化水素(TPH:Total Petroleum Hydrocarbon)は様々な炭化水素の混合物です。石油炭化水素製品の生産においては、水や土壌などに残留するTPHによる環境の汚染が懸念されます。さらに、健康へのリスクもあるためTPHの濃度を把握し、管理することは非常に重要です。 国際標準規格ISO 9377-2:2000には、ガスクロマトグラフィーを用いて水中の炭化水素量を測定するための試験方法が記載されており、水中の炭化水素を溶媒抽出後に極性物質を除去し、C10からC40の間に溶出する成分の総ピーク面積を用いて炭化水素量を定量します。本規格では、C20に対するC40の面積比(C40/C20)が0.8以上であることに加え、抽出溶媒とC10が分離していること、およびC40が溶出することが求められます。また、本規格に準拠した測定では、前処理が必要であり、多くの作業工数を要します。一方、大量注入法を使用することで、この前処理工程を簡略化することが可能です。 本稿では、Nexis GC-2060(200V)とマルチモード注入口(Multi-Mode Inlet:MMI)の大量注入法を使用し、従来のスプリット法(Application News No. 01-00355-JP)よりも低濃度の試料の測定を行いました。さらに、ISO 9377-2:2000に基づき、システムパフォーマンステストの適合性および検量線の直線性を確認しました。

2026.10.29