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ユーザーベネフィット

- TOC-Lを用いることで、リチウム塩水溶液のTOCおよびIC分析が可能です。 - 高塩試料用燃焼管キットを使用することで、燃焼管や触媒の寿命を延ばし、メンテナンス頻度を低減できます。 - 自動希釈機能を利用することで、試料の希釈調製にかかる手間を軽減できます。

はじめに

リチウムイオン電池市場の拡大に伴い、リチウムの消費量は急速に増加しています。そのため、従来の供給源である塩湖や鉱山に加え、新しい供給源が求められています。現在、新規原料としてブラックマスやオイルブラインが注目されており、これらから効率よくリチウムを回収できる技術として、リチウム直接抽出(Direct Lithium Extraction、DLE)法が開発されています。 DLE法では、これらの新規原料からリチウムを高濃度に抽出した溶液を精製プロセスにかけて純度を向上させますが、その抽出液には原料由来の有機物が含まれます。この有機物は精製プロセスを阻害し、精製効率や精製速度を低下させる要因となるため、炭素低減処理が実施され、定量的な品質管理が重要です。炭素低減処理の効果や抽出液に含まれる有機物の量は、全有機体炭素(TOC)として評価できます。 近年、高性能な正極活物質を製造するための水酸化リチウム(LiOH)の需要が高まっています。水酸化リチウムは大気中から二酸化炭素(CO2)を吸収し、炭酸リチウムに変化する性質を持っていますが、炭酸リチウムは正極活物質の性能に影響を与えるため、適切な品質管理が求められます。このような炭酸成分も、TOC計により無機体炭素(IC)として評価できます。 本稿では、全有機体炭素計TOC-Lを使用し、DLE法で用いられるリチウム抽出溶液のTOCおよびIC測定事例をご紹介します。

2025.11.19

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