LC-MS/MSを用いた血中エチレングリコール分析の検討

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ユーザーベネフィット

- 除タンパクと誘導体化を同時に行うことで、簡便かつ迅速な前処理で、血中のエチレングリコールを定量できます。 - 薬毒物のメソッドパッケージと同じ移動相を使用しており、カラムの切り替えだけで分析できます。 -高価な誘導体化試薬、安定同位体を含む内部標準を使用していないため、低いランニングコストで運用できます。

はじめに

エチレングリコール(EG)は不凍液などに含まれる工業製品ですが、生体内に取り込まれると、代謝性アシドーシスや、腎不全を引き起こすことが知られています。エチレングリコールは高極性の低分子化合物であり、逆相カラムとの相互作用が弱く、直接LC-MSで検出することは困難です。また、親水性が非常に高く、血液から抽出を行うことが難しく、GCを用いた直接分析も容易ではありません。このような背景から、水溶液中でも反応するフェニルボロン酸誘導体化を用いたGC/MSの分析法が開発されましたが、フェニルボロン酸がGCのインサートやカラムに蓄積し、他の用途の分析に影響を及ぼすことがあります。 本研究では、簡便かつ迅速な分析手法の開発を目的として、LC-MS分析に適したボロン酸試薬であるp-ブロモピリジルボロン酸 (BPBA) を用いた分析法の検討を行いました。BPBAはジオール基に選択的に反応し、安定的な環状ボロン酸エステルを形成します。このエステルは窒素原子を含むため、ESIによるイオン化効率がよく、水を含んだ試料でも迅速に反応することが知られています。この特性を利用して、除タンパクと誘導体化を同時に行い、簡便かつ迅速な前処理を開発しました。

2025.09.03

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