
EHF-Lシリーズ
- 動的・疲労試験機サーボパルサEHFシリーズおよび新たに開発した複合材料用つかみ歯を使用することで、熱可塑性CFRPの疲労評価が可能です。 - Servo Controller 4830により高精度の動的制御が可能です。
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は金属材料よりも比強度・比剛性が高いことから、輸送機の軽量化に寄与する材料として期待されています。一方で、製造、加工およびリサイクルが難しく、高コストという課題があり、航空機や特定の輸送機での採用に留まっています。この課題を解決する材料として熱可塑性CFRPが注目されています。熱可塑性CFRPの母材である熱可塑性樹脂は加熱すると軟化し、冷却すると硬化する特徴を持つことから、射出成形やプレス成形といった大量生産に適しています。その高い成形性により、コストおよびリサイクル性に優れ、量産型自動車への適用が期待されています。一方で、自動車などの構造材料としての用途では、長期にわたって繰り返し荷重を受けることが多く、疲労破壊を起こす可能性があります。特に、輸送機器における疲労破壊は重大な事故を引き起こすリスクがあるため、製品の信頼性を確保する上で疲労試験による適切な評価が必要です。 複合材料の試験では欠陥や切り欠き部から破断しやすく、従来のやすり目歯を備えたつかみ具では、把持部から破断しやすい傾向がありました。本稿では、新たに開発した複合材料用つかみ歯を用いて熱可塑性CFRPの疲労試験を実施しました。新たに開発したつかみ歯では、試験片への損傷を軽減し、把持部での破断リスクを低下させることが可能になりました。
2025.09.03
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。