
LCMS-TQ RX シリーズ
- ISO 21675に基づいて、多様な水試料を対象とし、炭素数(C)4の短鎖PFASからC16・C18などの長鎖PFASを含む広範なPFAS 30成分の分析が可能です。 - 超純水および工場排水を用いた低濃度の添加回収試験においても、精度よく測定可能です。
ペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、主に炭素とフッ素からなる化学物質で、1万種類以上あるとされています。PFASの物性は炭素鎖の長さや官能基などの違いによって異なりますが、優れた撥水・撥油性、熱・化学的安定性などを有するものがあり、様々な消費者製品や産業用途に使用されています。PFASは有用な特徴を持つ化合物ですが、非常に安定性が高いため分解されにくく、環境中や生体内への蓄積や生物への毒性の懸念などから、PFASに対する規制強化が世界的に進んでおり、様々な分析法が開発されています。 国際標準化機構(International Organization for Standardization, ISO)によって策定されたISO 21675は、国立研究開発法人産業技術総合研究所が原案作成した規格で、幅広い水質中のPFASを分析するための国際標準規格です。水試料を対象としたPFASの分析法である米国環境保護庁EPA Method 1633では炭素数4~14のPFASが測定対象化合物となっていますが、ISO 21675ではEPA Method 1633には含まれていない炭素数16、18といった長鎖のPFASが測定対象化合物に含まれています。短鎖から長鎖までのより広範なPFAS30成分を、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS/MS)を用いて一斉分析する方法です。 本稿では、ISO 21675に基づき、LCMS-8060RXを用いて、工場排水中のPFAS分析を行った結果をご紹介します。
2025.09.03
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。