
TOC-Lシリーズ(燃焼触媒酸化方式)
- ブラックマス中の水浸出性TOC含有量を測定することが可能です。 - NPOC法を使用することで、前処理を簡略化してTOCを測定することも可能です。 - オートサンプラーASI-Lを用いることにより、多検体を自動測定することができます。
ブラックマス(Black Mass)は、リチウムイオン電池のリサイクル過程で得られる濃縮粉体であり、コバルトやニッケルなどの正極活物質、負極活物質のグラファイトを含んでいます。ブラックマスは貴重な金属を含むため、リサイクルによる再利用は、環境負荷の低減や資源の有効活用に大きく寄与します。 ブラックマスには、原料の使用済み電池に由来する有機物や、保管・輸送中に混入する環境由来の有機物が含まれる場合があります。これらの有機物は、水や酸溶液への浸出によって精錬工程に悪影響を及ぼし、再生材料の品質不良の原因となるだけでなく、廃液中に残存して環境汚染を引き起こす可能性があります。そのため、ブラックマスに含まれる有機物の全量を把握することが求められます。この有機物の量は、全有機体炭素(TOC)として評価することができます。 ブラックマスの主要な輸入国の1つである中国では、中国国家標準規格GB/T 45203-2024に基づき、ブラックマス中の水浸出性TOC含有量を、燃焼酸化式-非分散型赤外線方式の全有機体炭素計で評価することが規定されています。 本稿では、燃焼酸化式-非分散型赤外線方式の全有機体炭素計TOC-Lを使用し、ブラックマス中の水浸出性TOC含有量を測定した事例をご紹介します。
2025.08.20
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