包括的二次元ガスクロマトグラフ質量分析計(GC×GC-MS)によるSAFの組成分析

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ユーザーベネフィット

- 2次元画像として得られるクロマトグラムを比較することでSAFの品質管理に利用できます。 - 2種類のカラムの組み合わせを変更することでサンプルの組成に合わせた分離特性を得ることができます。 - FASST(Scan/SIM同時測定)機能を用いることで、SAFの組成分析とSAF中の酸化防止剤の定量分析を同時に行えます。

はじめに

廃食油や古紙、サトウキビなどを原料として作られるSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)は近年、脱炭素社会実現の観点から注目されています。SAFは構成される成分によって燃焼性などの物性が変化します。そのため、SAFの成分分析は重要ですが、SAFは様々な炭化水素の混合物であるため、各成分の完全な分離が非常に困難です。このような複雑な組成をもつSAFの分析には、2種類の異なるカラムの分離特性を利用することで高い分離性能をもつ包括的2次元ガスクロマトグラフィー(GC×GC)が有効な手段となります。また、 GCMS-QP2050は超高速スキャン(30,000 u/sec)が可能なため、隣接する複数のピークの分離が向上し、高い精度で定性を行うことができます。 本アプリーションニュースでは2種類のSAFと1種類のSAF製造過程の中間生成物について、第1カラムに微極性、第2カラムには中極性のカラムを用いた組み合わせのGC×GCで測定しました。2次元画像は組成の分布を視覚的にとらえることができるので簡便に品質管理を行うことが可能です。また、第1カラムに中極性、第2カラムには無極性のカラムを用いた組み合わせでのパラフィンやナフテンの高分離や、ASTM D2425で濃度が規定されているSAFの酸化防止剤の定量についてご紹介いたします。

2025.10.23

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