
Nexera XS inert
- 高濃度の塩を含むオリゴヌクレオチドの精製フラクションに対して、自動前処理機能「共注入」を適用することで、試料の希釈等の前処理の自動化が可能です。 - 自動前処理機能「共注入」により、試料と任意の溶媒の同時注入が可能です。
LC分析において、試料溶媒組成は適切なピーク形状を得るために重要です。試料溶媒が移動相よりも溶出力の強い溶媒の場合、カラム入口部での溶質の濃縮が不十分となり、試料バンドが広がることでピークがブロードになる場合があります。例えば極性の小さな化合物を溶解させるために試料溶媒中の有機溶媒比率を大きくすると、逆相クロマトグラフィーにおいては溶出時間の早い成分のピーク形状が悪化することがあります。オリゴヌクレオチドは、ホスホロアミダイト法を用いて合成した後に、陰イオン交換クロマトグラフィーや逆相イオンペアクロマトグラフィー(RP-IP)を用いて精製します。陰イオン交換クロマトグラフィーを用いた精製フラクションには、高濃度の塩(例:塩化ナトリウム(NaCl)や臭化ナトリウム(NaBr))が含まれます。この精製フラクションをRP-IPを用いて分析する場合、試料溶媒に高濃度の塩を含むため、オリゴヌクレオチドのイオンペア形成能が低下し、ピークが適切に保持されずクロマトグラムに悪影響を及ぼす場合があります。本稿では、Nexeraシリーズのオートサンプラーに標準搭載の自動前処理機能「共注入」を用い、試料(精製フラクション)と任意の溶媒を同時に注入することで、試料溶媒の影響を低減してピーク形状を改善した事例をご紹介します。
2025.05.14
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